めいちゃんの執事〜右目は盲目の少女〜 (ページ2)

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序章ページ2

プロローグ

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都姫寺(みやびじ)家。

町外れの一帯。古びたお寺が聳え立っている。

竜の石像が木造の門に、備えつけられている。その木造の門を、くぐり抜けると、砂利が、敷地面積に、ずっしりと、敷かれている。中庭だ。日本風の庭園。閻魔様の石像が、重厚感を、感じさせる風貌で、飾ってある。

庭園の真ん中に、白色の煙が、竜の石像の口から、もわんと、出ている。

県内で指折りのお寺である。お寺を経営しているグループの本家にあたる。
都姫寺(みやびてら)は、聖神な雰囲気の仏閣があり、その仏閣が、お寺の見せ所。
都姫寺の内輪(うちわ)内に、古民家があり、木造建築の屋敷もある。
敷地一帯が、お寺によって管理されている状態である。

このお寺を、支援してくれているのか、本郷家。本郷家は、大富豪でもある。
両親が、病人のような感じになってしまい行方をくらませた後、本郷家の跡取りのお嬢様に、出会う羽目になってしまった。

本郷家のタワービルに、お招きを受けて、出向いた事がある。
その際、本郷家の跡取りと謳われているお嬢様は、車椅子に乗っていた。その車椅子を、押しているのが、銀髪のような白色の髪を持つ執事。
一般的な燕尾服は、黒色が基本だ。ただ、その男が、着ている燕尾服は、真っ白だ。
ただ、盲目でない瞳は、眼帯(がんた)で、隠している。

なので、べるの瞳が、映す世界は、盲目でモノクロだ。
それと比例するように、真っ白な燕尾服も、べるの瞳には、真っ黒に映る。

本郷家の跡取りのお嬢様は、栗色の髪の毛で、髪をくるくると、巻いたような状態である。
物腰で、柔らかそうで、車椅子に乗っていることは、足が弱いのかもしれないと、べるは察した。

ただ、何処となく壊れているイメージもあった。人間として、壊れていて、病人のような、ふわふわと浮ついた足取りで、夢の中で、最後を終えてしまうようなイメージがあって、たまらない。

いわゆる【鳥籠の駒鳥】のようなイメージだ。ただ、お嬢様としては、これが普通だろうと。

現実離れした世界で、生死を全うしているお嬢様たち。

生死観やお金の感覚も、狂っても、しかない。ただ、べるは、普通の家庭の常識も、知っているところがある。

両親たちは、たとえお金持ちであって、贅沢な生活は、させない教育方針だ。
そのおかげで、一般市民の金銭感覚と同じだ。10,000円が、高いと感じているぐらいだ。