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剣心を1人で外に出したら、
何するかわかったものじゃないわ!
薫はそう言って
弥彦を連れて買い出しに出ていた。
ちょうど買い出し時で往来は人で溢れている。
「何買うんだよ?」
「剣心がいないから
そんなに重いものは買えないわよ。
普通にお魚と……」
「おい、あれなんだ?」
何を買おうかと考え込んだ薫の思考を、
弥彦の声が遮った。
「あら、何かしら。」
随分と人だかりができている。
少し開けた道だが、
人が立ち止まるようなものは何も無いはずだが。
「
「異国語??」
流暢に聞こえてきたのは、
どこかで聞いたような声音に
一切聞き覚えのないどころか
聞き取れもしない異国の言語。
「
「何言ってんだ?」
「さぁ……どうかしたのかしら」
「見に行ってみよーぜ!!」
「あっ!ちょっと!!!」
ぐい、と手を引かれて
薫と弥彦は人だかりに飛び込んだ。
まだ少年である弥彦は、
隙間を見つけてぐんぐん先に進んでしまう。
薫も置いていかれるまいと
体をねじ込んだ。
「
何らかの言葉が聞こえた瞬間視界が開けた。
「あいつ!」
弥彦が叫ぶ。
「うそ」
異国語で話していたのは、
昨日剣心が連れてきた侍殺し。
にっこりと人好きのする笑顔を浮かべて、
到底聞き取れない言葉を意のままに操っていた。
「
異国の男は
見慣れない手押し車のようなものに
手を置いていて、
嬉しそうに顔をほころばせた。
「まさか、あいつ、
恐喝でもするつもりか……?!」
「まさか!ここは往来よ!!」
話の分からない二人は推測で言葉を口にした。
「ははは!まさか!
彼はどうやら道を教えてあげるようだよ」
後ろにいた男は笑ってそう言った。
「え?!」
声を揃えて見遣れば、
異国の男の差し出した地図に指を這わせている。
「ーーーーーーーー」
「ーーーーーーー」
「ーーー!ーーーーーー!!」
「ーーーー!!」
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N - フウマさん» コメントありがとうございます!!過去は…僅かに交錯する程度かもです…すみません…きっと好みが分かれる作品なので、ぼんやりと読んでくださいますと幸いです。頑張ります! (2020年8月3日 21時) (レス) id: ebe3e0c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - 夢主の過去と剣心の過去がどう関わっているか楽しみです。これからも更新頑張ってください。 (2020年7月29日 15時) (レス) id: 5ffdf3628a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢主を可哀想な目に合わせるのが好きなN | 作成日時:2020年7月26日 22時