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「Aに会った？？？」
「……ええ……」
複雑な顔で薫が答える。
「して、どんな様子でござったか？」
「なんか異人と話してたぜ。」
えーと、と弥彦があらましを語る。
「ねぇ剣心、
あの人何者なの？」
「いや、
拙者も異国語が話せるのは初耳でござるよ」
すごいペラペラだったわよ、
という薫に緋村も困り顔。
拙者らの中には攘夷派も多かったし、
と言う緋村に、
余計訳分かんねーよと弥彦。
「まぁあいつはそういう奴でござる」
「どー言うやつだよ……」
嫌われ者の人斬りで、
緋村剣心の友人で、
異国語がペラペラで、
それから……
「そういえばあの人……」
「？何かあったんでござるか？」
「其の異人、
どうやら子供を攫ってたみたいなのよ」
「っ？！」
「まぁあいつがボコボコにしてたけどな」
不本意そうに弥彦は言った。
「……ねぇ剣心、
あの人、本当はどういう人なのよ」
さすがに何となくおかしいってわかるわ、
と薫。
あの時だって、
黙っていれば
私は結局あの人を泊めてたでしょうし。
「……なんというか……
変なやつでござる。」
「みりゃわかるよ」
なんと表したものか、
と緋村は視線をあげる。
万華鏡のように、
見る時に寄って雰囲気も態度も変わる男。
言い表すための最良の言葉が浮かばない。
「雲みたいな……男でござろうか」
「雲ォ？？」
弥彦がわかりづれーよ！
と叫んだ。
「そうだな、Aは」
「あいつの話はやめろよ剣心」
「左之！」
飯食いに来た、
と言う左之助に、
緋村は厳しい目を向けた。
「あいつとお前は違う。
志に生きた維新志士様でもねぇ。
それじゃただの人斬りだ。」
「それは誤解」
「誤解だろうがなんだろうが、
あいつが歩んだ道はそうなんだろうが。」
「それはっ」
「もう会わねぇ、そう言われたんだろ？
……じゃあもうそれでいいだろうが」
あいつとお前は違う。
あの日Aにも言われたセリフに、
緋村は眉根を寄せる。
弁明などいくらでもできる。
侍殺しの異名の真の意味も
あいつの信念だって
なんだって説明できる。
……でも何を話しても
悪い噂が濃すぎて冗談にしか聞こえない。
あの馬鹿。
自ら進んで嫌われる道を歩みたがるのは、
緋村が唯一Aに直すべきだと思う場所だ。
…あと煙草のセンス。
友人だ何だと言っているが、
過ごした時間が濃すぎて、
一緒にいた時間の密度ばかりで、
実際過去や内情なんてほとんど知らない。
それでも、楽しく付き合える仲間だった。
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N - フウマさん» コメントありがとうございます！！過去は…僅かに交錯する程度かもです…すみません…きっと好みが分かれる作品なので、ぼんやりと読んでくださいますと幸いです。頑張ります！ (2020年8月3日 21時) (
レス) id: ebe3e0c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - 夢主の過去と剣心の過去がどう関わっているか楽しみです。これからも更新頑張ってください。 (2020年7月29日 15時) (レス) id: 5ffdf3628a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢主を可哀想な目に合わせるのが好きなN | 作成日時：2020年7月26日 22時
