25話 ページ27
「よう」
俺は混乱していた。
エースなんて同じ名前なだけで
絶対別人だと思っていたのに。
というか白ひげの
2番隊隊長がなんでこんなとこにいるんだよ。
俺が考え込んでいる間に
ルフィに対しての用事は終わったようで。
「で、こんなとこで何してんだよエース」
と俺はようやく声をかけたのだった。
「ハク？！」
「「「知り合い？！」」」
「ハク……」
俺の質問には答えず
少し弱ったような顔をして眉根を寄せるそいつに
まぁここにいるってことは
何かあったってことだよな。
と自分の中で決着をつける。
「よっと」
ぴゅう、と風でそいつを持ち上げると
俺は船の上空へ一緒に上がった。
「これ懐かしいな！！」
「よく一緒に空に行ったな、そういえば」
海賊王の息子だと言うこいつに
はぁまぁ別に、で？
と言うと、凄いなんか思ってた反応と違う
って顔を貰ったので
じゃあ俺の秘密なと教えてやったのだが。
「で。なんかあったのかよ」
「……サッチが死んだ」
「っ」
サッチ。
白ひげの船に乗るクルーの一員。
料理人も務めるフランスパン。
元々俺が
身を寄せていた島にやってきた白ひげたちとは、
1ヶ月ほどの交流でそれなりに仲良くなった。
サッチの作るメシは美味かったし
真っ直ぐで明るいあいつは一緒にいて楽しかった。
「ティーチのやつがな」
「仲間殺しか」
「俺はケジメつけなきゃなんねぇ」
それでここにいるのか。
おれはようやく合点がいって呟く
「場所は分かってんのか？」
「あぁ。これから向かう」
「俺も」
「来んな。
クルーじゃない
お前が首突っ込むことじゃない。｣
まぁそうだよなぁ。
嫌な予感がするような気もするのだが
どうせ俺はカバンが人質だ。
エースがそう簡単に
負けるはずがないこともわかってる。
｢しかも親父からの直々の誘いを断って
なんでルフィの船に乗ってんだ？
お前が海賊にならねぇ
って言うから諦めたんだぜ」
エースはさっきまでの雰囲気を崩し
おれと距離を詰めて言う。
「麦わらの一味になった訳じゃねェよ。
行きがかり上巻き込まれてるだけだ」
つーかお前空中で動くのうますぎだろ。
「なら俺たちに巻き込まれれば良かったじゃねぇか」
「しつこさがちょっと足りねぇんだよお前らじゃ」
そこまで言ってお互い顔を見合わせて笑い合う。
「ケジメつけてこいよ。
俺の分もよろしく」
パン！と手と手を合わせて。
エースは俺にビブルカードを渡した。
「え、彼女か？お前」
「お前が彼女だな」
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作者名：夢主を可哀想な目に合わせるのが好きなN | 作成日時：2020年5月15日 23時
