24話 ページ26
「解せぬ」
俺は
ナノハナという町の港に停泊した船の上で思う。
なぜ俺だけお留守番なのだろう。
ナミに言わせると、
「あんたは顔バレしてないんだから
無駄に動いて逆に身バレする方が心配だわ」
だそうだ。
体のいい見張り番である。
何やら食料や水、あとは変装？？
しに行くんだと言っていたし、
まぁ行ったって変なことに巻き込まれるだけか。
……はぁ、暇。
ナミが置いていった
新聞でも読んで情報収集するか。
_______________________________________
「っ」
新聞全てを読み終わり、
手持ち無沙汰になって眺めていた手配書。
黒いフードに黒いマント。
フードを被っているせいでまともに顔は見えないが、
睨まれただけで心の臓が凍りそうな瞳。
【
ALIVE ONLY の文字に
「まだ生きてたのか」
無意識に口から言葉が零れた。
ぐしゃりと紙を握りしめた時だった。
「留守番ありがと〜」
ハシゴ下ろして〜とナミの声。
俺はハッとしてすぐに言葉を返す。
「ちょっと待ってくれ！」
新聞を片付け、
ハシゴの方へと走る。
「ほらよ。早かったな？」
「ルフィが海軍引き連れてきたのよ！！！」
見れば全員猛ダッシュしたのか、
各々軽く息が上がっている。
「あァ、お疲れ様。」
船長のそういう所は、
もう慣れっこなんだろ？と。
「お疲れ様じゃないわよ！！！」
「なんで俺が怒られてんだよ……」
ビビがカルーを王宮に走らせ、
そこでようやく一息。
「……なんかお前ら服一般人じゃなくねェか？」
「……サンジくんのセレクトなの。」
「踊り子の服よ」
「踊り子だって庶民さ！！！」
目がハートになってる。
ほんとにこの一味色々濃いなぁ。
「……で、よく逃げてこられたな。
全員倒したのか？」
もう触れるまいと俺は話題を変える。
「いや、なにか知らない人が」
「あぁ、エースは俺の兄ちゃんだ！」
「「「兄ちゃん？！」」」
どうやら街で偶然出会い、
海軍を引き受けてくれたらしかった。
……それにしてもエースねぇ。
そういえば島に来てた海賊もエースだったなぁ。
「今やったら俺が勝つね」
自信満々にルフィがそういった時。
「誰が、誰に勝てるって？？」
さっきまでルフィが腰かけていた場所に、
飛び乗って笑う男が1人。
「「エース！！」」
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作者名：夢主を可哀想な目に合わせるのが好きなN | 作成日時：2020年5月15日 23時
