11話 ページ13
まず一言言いたい。
降りたらルフィがワポル(多分。果てしなく多分)
をぶん殴っていた。
……おいおい何があったよ。
「おいおい……
サンジ、何事だよ」
なんでここに？
と言う彼に問いかけると、
どうやら前に海の上であったらしかった。
「お前らさっきはよくもやってくれたな
も〜我慢しなくていいんだ！！」
例のキラキラした笑顔で言うルフィに、
このタイミングということは
ドラムロッキーを登る前になにかあったのか。
と合点が行く。
……俺が呑気に寝てる間に……
自分のバカさがフラッシュバックして、
恥ずかしくなって頭を振った。
忘れよう。
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「王様って言わなかったか？！
海賊じゃねぇのかあいつら！！！」
俺は本当にさっき
ルフィにバカだと言われたことを取り消したい。
なんて自由人なんだよ、
と俺は目の前に立つ
ちょっとイラついていた男(ワポル)のことよりも、
服取りに行ってくる、
と戦闘を放棄して戻って行った
麦わら帽子のことを考えていた。
「聞くけど……あいつのびたぞ？！」
チョッパーがサンジに尋ねる。
それは俺も気になってた。
伸びるぞあいつ。
「あぁ、伸びるな。
ゴム人間さ」
「な、なんだそれ……！」
「バケモノさ」
「！」
ゴム人間かぁ。
同じ悪魔の実の能力者かなぁ。
とチョッパーを眺めながら思う。
というか適当なこと言った自分よりも、
サンジの方が数億倍かっこいいから
あの時に戻りたい。
なんだお陰で俺と喋れるって。
「はぁ」
「ドルトンも死に……
ここには反国ババアと麦わらの一味がいる」
「俺は一般人だけどな」
つーかドルトンが死んだ？？？
おいおい。
正直こいつは故郷を思い出すから好かないんだ。
それで挙句にドルトンを殺した？？
……医者のいないこの国で、
助かってくれってのは無茶か。
「っち」
ほとほと間が悪い……！！！
すまんドルトン、
メシやら何やら世話になったのに、
なんにも出来なかった。
「ドクターはこの国を救いたかったんだ……！
あのドクターの信念は絶対に下ろさせないぞ！！」
「っ」
話は僅かに聞いていた。
チョッパーに名前をつけた人。
国を最後まで救おうと足掻いた、
優しい優しい医者。
「なんだよ、俺は別にあいつらに興味ねぇのによ」
とサンジ。
まぁ最もだ。
おれも衣食住の恩に報いる予定だったが、
予定が変わった。
今日は傍観しよう。
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作者名：夢主を可哀想な目に合わせるのが好きなN | 作成日時：2020年5月15日 23時
