【ONEPIECE】青海青雲に宣う (ページ12)

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10話ページ12

行きがかり上、
チョッパーの身の上話を全部聞いてしまった。

聞くつもりはなかったなんて言うつもりは無いが、
自分の与えられた人生とは違うその過酷さに、
少し物寂しい気持ちになる。

同情は違うとあの時笑い話にしたが、
こんなの同情も出来ねぇよ、
と俺は独りごちた。

ナミの部屋を後にし、
少し思いを馳せる。

俺の周りにそんなやつはいなかったな。

無意識にカバンに手が伸びていた。

上から触ってもわかる、
冷たい鉄くず。

「………………帰ろう」

魔女が同郷でないと分かれば、
もうここにいる理由はない。

ドルトンの家に帰って、
あいつが作ったうまいメシを食って、
街の人に野菜を無理やり押し付けられて、
それで。

普通が欲しくて、
俺がベットをたとうとした瞬間だった。

「大変だよドクトリーヌ！！！！
ワポルが……帰ってきた！！！」

ワポルってのは確か先代……
って言うか逃げ出した元国王。

ここにいるってことはドルトンはどうなった？？

まさか誰にも気付かれずに帰国した
なんてことはありえまい。

何かあったのか。

手伝うと言ったのになんとも間の悪い……！！！

俺は急いでワイヤーを手に取って階段を駆け下りた。