沈黙の塔、鴉の宴(前編) ページ28
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『……しゃ、社長。い……いま、なんと……?』
「マフィアの首領と密会を行う。其方も其れに連れて行く……だが。」
『わ、私も……ですか?』
「嗚呼。其方は聞いた事等の覚えが良い。マフィアと探偵社が休戦協定を結んだ際、記録者として居ろ。」
『はっ……はい!』
何故私が……唯の事務員である私が……マフィアとの密会に参加?記録等なら乱歩さんなんかの方が確実だ。晶子さんはマフィアとの密会には連れて行かない方が賢明だけど。
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「はあ〜〜〜〜〜〜〜遣る気出ない。」
『同じくです、太宰さん……何故私まで……』
「朝から壊れた喇叭のような声を出すな太宰。曽野は……どうしたんだ、春野や谷崎(妹)は今のうちに再び避難したというのに。」
「私は今ねえ、誰かと対話する気力もないのだよ、国……なんとか君。」
「不燃ゴミの日に出すぞ、貴様。」
私は太宰さんに膝枕をする感じで欠伸をする
『私もう無理ですよ、どうすればいいですか、太宰さん。』
「私と心中しようじゃないか、そうすれば万事解決。」
『それもそうですね…』
「……おい曽野。相談する相手を間違っとるぞ。」
「ああ……食事も面倒臭い。呼吸でお腹が膨れたらいいのに……」
『全くもってその通りですね。』
太宰さんはがさごそと、ビニール袋からバナナを取り出し、皮を剥かずに丸齧りにする
「…バナナの皮剥きすら面倒なら餓死してしまえ」
ボソリ。と国木田さんがそう云った。
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作者名:ペネロッペ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Mayakaahah/
作成日時:2022年10月5日 11時