ジェネハウス。 #3 (ページ10)

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side裕太

メ「じゃあ、頼んだよ」

裕「おん、任せといて」

メンくんに冷えピタの替えとお水と体温計、それからタオルを受け取って龍友の部屋へ向かった。

涼太を双子と同じ和室に寝かせるのはダメだと思い、龍友が自分のベッドに寝かせると言って涼太を抱いて部屋へ入った。

裕「龍友、持ってきたで」

龍「ありがとうな」

部屋へ入ると、龍友のベッドで真っ赤な顔をした涼太が眠っていた。

そしてベッドに腰掛けて涼太のお腹をリズム良く叩く龍友が。

裕「どんな感じ？あ、体温計持ってきたで」

龍「ありがとう。触ってる感じやと、全然下がってないかな」

裕「そっか…無理させてもうてたもんな、」

眠る涼太を起こさないようにそっと体温計を挟む。

そして、それが示した体温は。

龍「38.6」

裕「うわ…しんどいなぁ、」

聞いただけでしんどくなりそうなほどの高熱。

龍「涼太な？ずっと大丈夫やって言っとったんや」

裕「我慢しとってんな、」

泣きそうな声で、心配そうに涼太を見つめながら龍友が口を開いた。

龍「もうちょっとで帰るからなって言ってもさ、大丈夫やって言うばっかで…」

裕「おん、」

龍「 "涼太は大丈夫" しか言わんくてな…」

何も言えなかった。

返す言葉が見つからなかった。

裕「連れて行くべきやなかったんかな…涼太ってインドア派やし、行かんかったほうが良かったんかもな…」

行かなきゃよかった。

涼太に合わせて家で過ごせばよかった。

せめて、涼太と留守番すればよかった。

後悔ばかりが募って。

申し訳なくて、心苦しくて。

龍「けど行かんかったらさ、また自分のせいやって涼太が自分を責めそう…やと思わん？」

裕「まぁ…」

龍「やったら、やっぱり連れて行ったことは間違いじゃなかったんと違う？」

なんて龍友はそう言うけど。

たぶん涼太の異変に気付けなかった俺を気遣ってるんだと思う。

裕「せめてもっと早く気付いてさ、涼太と留守番すれば良かったやん？そうすれば悪化してもまだすぐに対処できたし…」

そもそも、涼太は本当に出かけることに賛成だった？

涼太の性格だったら、嫌だなんて言えないんじゃない？

なんで気付かなかったんだろう。

小さな、幼い俺の大切な弟。

涼太の異変には、俺らが気付いてやらなきゃいけないのに。

龍友は俺の背中に手を添えて、また口を開いた。