ジェネハウス。 #3 (ページ18)

今日:6 hit、昨日:23 hit、合計:47,127 hit

○117 ページ18

side龍友

トントン…

龍「はぁい」

真夜中、控えめに鳴ったドア。

たまたま数分前にトイレへ行き、そのせいで再び眠るのに時間がかかって起きていた。

とはいえ、人の部屋た入るには迷惑な真夜中。

裕「ごめん、入るで」

そんな声と共に入ってくる裕太。

そして。

涼「…っ、なぁっ、なぁのっ…泣」

龍「涼太？」

裕太の腕の中で泣く涼太。

涼「なぁっ、なぁっ……っ、ひっ、くっ、泣」

裕「ごめんな、こんな時間に…涼太が龍友の名前呼んで泣いとるからさ…」

龍「ん、ええで。ごめんな、ありがとう」

申し訳なさそうな裕太から、涼太を受け取る。

龍「涼太？どした？」

こんなに涼太が泣くのも珍しいし、ましてや真夜中なんて。

優しく声をかけながら顔を覗き込めば。

龍「りょーた…？」

涼「なぁっ…りっ、とくっ…っ！なぁのっ…」

龍「大丈夫、大丈夫やで。ここにおるからな」

涼「なぁっ…りっと、くっ…どこぉっ…」

龍「ここやで。涼太のとこおるよ」

僕を探す声。

僕を探して彷徨う手。

優しく声をかけてやるけれど、涼太が落ち着く気配はない。

龍「大丈夫、ここにおるからな？」

何度も伝えるのに、涼太には届かなくて。

龍「涼太？な？」

しばらくずっと声をかけていると、次第に乱れ始める涼太の呼吸。

龍「涼太？泣きやもか。しんどいやろ」

そう声をかけ続けるのに。

龍「涼太、涼太？りょーたっ！」

涼「ﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯ……！ﾋｯｸ…ﾝｯ……！」

龍「涼太、しっかりせぇ！深呼吸や！」

涼「ﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯ…ｯ…」

裕「涼太、大丈夫やから！……まずいな、」

必死に呼びかけるのに。

涼「ﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯ……ぁ、あーーっ！」

龍「涼太っ！」

突然パニックに陥り、叫びだしてしまう。

涼「ﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯ……ﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯ……」

そのまま過呼吸になるもんだから、息が吸えていない気がして。

龍「ここにおるからな。ゆっくり息して、」

背中をさすりながら声をかけ続ける。

涼「……ｯ！ﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯ……」

それでもなお、苦しそうに呼吸を繰り返す涼太。

見ているこっちが、苦しかった。