ジェネハウス。 #3 (ページ12)

今日:3 hit、昨日:23 hit、合計:47,124 hit

○111 / 甘えん坊③ ページ12

side亜嵐

亜「ん？」

涼「んぅ？」

朝起きてから顔を洗い、洗面所からリビングへ戻ろうと歩いていると。

亜「どしたの？」

涼「んぅ？」

ペタペタと俺の後ろを付いてくる小さな弟。

亜「おかお、パシャパシャした？」

涼「んーん、ちてない」

亜「あれれ、じゃあ一緒にやろっか」

今日は久しぶりに部活もなく家でのんびりできる。

だから時間を気にする必要もないから涼太と一緒に再び洗面所へ。

亜「ん、じゃあタオルで拭こうね」

涼「でちたぁー！」

亜「よし、じゃあ行こっか」

涼「んんっ、」

亜「りょーた？」

タオルで濡れた顔を拭いてリビングへ行こうとすると、涼太は洗面所から動かない。

亜「りょーたくん？行きますよー？」

涼太の目線に合わせてしゃがんで話しかけるけれど。

涼「んーん」

なんて首を横に振るだけ。

どうしたものか。

龍「亜嵐ー？ご飯いらんのかー？」

なかなかリビングへ戻らない俺を、龍友くんが呼ぶ。

亜「いるっ！すぐ行く！」

なんて答えたものの、涼太をどうするか。

亜「抱っこしちゃう？」

涼「ん、だっこ」

涼太は手をグッと俺のほうに伸ばして上目遣いで俺を見つめる。

亜「いいよ、ほら。久しぶりだね、俺が抱っこするの」

涼「ん、」

たまにはいいかと涼太を抱き上げてリビングへ。

なんだか涼太も重たくなった気がして、成長を感じた。

龍「なんで抱っこされてんの涼太、笑」

亜「動いてくれなかったから…笑」

リビングに入ってすぐ、やっぱり龍友くんに突っ込まれる。

だけど涼太は何も答えず、俺の肩に顔を埋めていた。

龍「涼太寝てんのか？」

亜「んーん、起きてるよ。ほら、涼太？龍友くんだよ」

龍「おーい、涼太ごはんやから亜嵐くんから離れて？」

涼太のほっぺたをツンツンしながら話しかけるけれど、なぜか愚図って離れようとしない。

亜「涼太？どしたの？」

ここまで涼太がベッタリひっついて来ることもなかなかないから、少し心配になる。

龍「涼太、しんどい？とりあえずこっちおいで？」

龍友くんも気になったのか、涼太を自分の方に抱き寄せようと、俺にひっつく涼太を剥がそうとするのに。

涼「やっ…」

亜「あれれ、俺がいいの？笑」

なぜか俺から離れない。

いつも龍友くんが抱っこしてくれるとなれば、すぐに飛んでいく涼太なのに。

涼「ありゃっ、くっ…」

なんて俺の名前まで呼んじゃって。

今日はどうしたものか。