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私が距離を置こうとしてもスンヨンさんはそれが気に入らないみたいで隙あらば声をかけようとしてきていた
でもカメラにすこしでも入ってしまったらもっと周りに迷惑をかけてしまうと思い全て避けた
私は単純な人間だと思う。
ちょうどその時期から体調を崩すようになり、コンセプト評価も近い中、ギリギリまでドクターストップかかる程自分を追い込んでいた
もちろん集中するためでもあったが、スンヨンさんのことを考えないようにするためでもあった。
迷惑をかけまいと思っていたさなか、体調を崩して同じグループの練習生たちに違う意味での迷惑をかけてしまったのだ
でもなんとか持ち直し、コンセプト評価にも間に合い
トレーナーの先生方達からも高く評価された
それからすぐに三回目の順位発表があった。
これでデビュー評価に行けるかが決まる大切な会
わたしは
20人中14位
デビュー評価ギリギリで残ることが出来た。
しかし、ここまで日本から一緒に頑張ってきた唯一のオンニ シノオンニが落ちてしまった
私はそれがなにより辛くてカメラなど気にせずずっと泣いていた。
女子の順位発表が終わり、席に戻って次は男子の順位発表
その準備をしている時、私はシノオンニがさっきまで座っていた隣の席が空席になっているのを見て、さらに溢れてきた涙を止めることは出来なかった
ずっと俯いていたら急に視界に入ってきた靴
そしてすぐにわたしの手を両手で包み込むように握る
大きな手
それが誰か
顔を見なくてもわかった
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作者名:paru. | 作成日時:2021年2月23日 13時