希望、それは戯言 (ページ10)

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刀の方は重心がぶれぶれですぐにでも殺れる。問題は銃の方。何処にいるかよくわからない。殺気を上手く隠している。

刀の方は俺がぐらついた振りをした瞬間、一気に襲いかかってきた。それじゃあ、生き残れない。心臓を一突きして、そいつはその場に倒れた。

その瞬間、凄まじい殺気が後ろからした。見つけた。すぐに間を詰めて、上から振りかぶる。流石に避けられた。あの刀は本当の初心者だったが、此奴は慣れてる。

乱射をしつつ、距離を取ろうとする。でも、その乱射にもよけれる場所がある。上手く交して、あと少し。銃は近距離は厳しい。それ故、焦りが生じる。仕留めるなら今。

すぐさま後ろに回り、心臓に狙いを定めて。こんな夜には全く似合わない満月が夜道を照らしていた。

…確か深澤が困ったらここに行けと道を覚えさせてくれた。そこへ行かなくては。小さくて軽いこいつを抱えて。

「なんだよ、お前」
「深澤って言えばわかりますか」

少々…見た目からして医者には見えないが、一応白衣を着ているから、医者なのだろう。

「はあ…ついてこい」

徐ろに歩いていく医者について行けば、手術室と書かれた部屋に着いた。あとはやるから、お前は電話しろ。と、四角いものを投げられた。…なんだこれ。

試行錯誤していれば、電話マークがあった。とりあえず押してみれば人の名前がずらりと並んでいる。そこには深澤の名前もあった。何回か押せば勝手に繋がった。

『はい、もしもし。どちら様でしょうか？』

声が深澤じゃない。でも、伝えなければ。あいつの名前…ああ、聞いときゃよかった。

「病院…ピンク髪」

それだけ伝えれば急に切れた。伝わったのか、だとしたら早過ぎないか？そのまま、部屋の前の長椅子に腰をかける。その後すぐに部屋から医者がでてきた。

「佐久間は無事だ。次はお前。」

そう言って、俺の腕を指さした。血が流れていた痕跡がある。いつの間に、気づかなかった。

「放っておけば治る。」
「阿呆。つべこべ言わず来い。」

医者は俺の体を見るがいなや、眉間に皺を寄せた。そして、消毒やなんやらをして最後に包帯が巻かれた。すると、廊下から物凄い足音が疎らに聞こえてくる。

fk「先生！佐久間は…って目黒！？」
「はあ、厄介なやつ拾ったな、お前。」

俺の腕を見てから、過剰に心配してくる。そこまででは無いのに、変な奴。そのまま流れで佐久間とやらの病室に入った。案外、安らかに眠っている。もう俺はいいだろう、と帰ろうとしたその時

ab「お前、何した」