希望、それは戯言 (ページ8)

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「言っておくけど、助けてもらう気なんてさらさらない。どうせ、あんた以外俺の事は視界にも入れたくないらしいからさ。ねえ、さっさと折れてくんない？そして、こっから出てって」

周りは俺の発言に気まずいのか知らないけど、黙り込んだ。当の本人も下を向いたまま何も喋らなくなった。納得したなら、さっさと目の前からいなくなってほしいんだけど

fk「折れないよ。…申し訳ないんだけど、目黒が眠ってた間、過去について調べさせてもらった。」
「…そ。で？憐れで惨めだって言いたいの？」
fk「ずっと、演じてきて辛かったよな。必死に努力しても何も報われなくて、苦しくて」
「何？同情？そういうの1番嫌いなんだけど」
fk「俺も昔、ずっと演じてた。周りに嫌われたくなくて、誤魔化して愛想笑いして。その内自分の感情さえ分からなくなった。」
「…………」
fk「でも、そんな時助けてくれたのが照だった。「そんな自分に苦しみしか生まないことをすんな。そんな事しなくても分かってる。だから、自分の感情に嘘つくな」って。最初はそれでも、演じてた。1度慣れたものは壊すのは簡単じゃなくて」
「その度に照が助けてくれた。そのおかげで、今は素を出して暮らせてる。だから、今度は俺の番」

太陽が丁度深澤に当たって眩しい。でも、それは少し心地よかった。

fk「もう無理して演じなくていいから。そんな事しなくてもいい人生歩めるから」
「…馬鹿みたい。」
fk「ふは、そうだな。馬鹿みてえだな。でも、それが返っていいんだよ。」
「…死にたくなったら死ぬから」
fk「そう思わせない。」
「…勝手にしろ」

一応死なない事にした。でも、死にたくなったらいつでも死ねる。それなら、まあいいか

fk「ねえ、目黒！このぬいぐるみ可愛くない！？」
「毎回ここ持ってくんの、いい加減やめて」
fk「もう置き場ないんだよ！それに、可愛いし癒されるだろ！」

あれから退院して、またこの部屋に戻ってきた。未だに他の人たちとは話していない。まだ俺の事気に食わないんだろう。まあ、当たり前だし、気にしてはない。その代わり、毎日ふっかさんが来るようになった。…どうしてもふっかさんと呼べと言うから仕方なく呼んでいるが、どうも慣れない。

そして、勝手にファンタジーな部屋にされている。本当にやめて欲しい。ぬいぐるみに見られながら寝るなんてした事ないから、なかなか寝つけない

fk「ええ…いいと思うのにな…」
「はあ…」

そろそろこいつの相手も面倒臭くなってきた。