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さて、これで終わりだ。最悪な人生ともこれでおさらば。ある意味楽しかった。最期は笑顔で、来世に期待して。上半身を前に、体重を窓の縁に預けて、手を離す
離したはずなのに、何故か落ちない。そこで初めて下半身に違和感を感じた。
fk「死なせないよ。絶対に。」
初めて聞いたあまりにも低い声。そのままほぼ力がない俺は病室に引き戻された。どさりと音を立てて座り込み、深澤に体を預けた状態になった。そのまま骨が折れるのではないか抱き締められた。
fk「間に合ってよかった…」
「…死な、…せっ…ろ、よ」
fk「嫌だね。俺は諦めないよ」
今の状態じゃ、逃げ切るなんて事は出来ないし諦めて目を閉じた。それを察したのか俺をベットに乗せた。その後は医者にもう一度いろいろ処置をされて、いつの間にか深澤以外の奴らも病室に入っていた
fk「…本当は全部吐いてたんだね。」
固い沈黙を破るように深澤は言った。きっと、あの関西弁が伝えたんだろう
fk「それも、吐こうとして吐いたんじゃないんでしょ。それなら、もっと早く言ってよ」
…どういう事だ。何故そこまで知っている。あの関西弁はそんな事知っていたとは思えない。
fk「どっかの誰かさんが苦しそうに伝えてくれたんだよ「あいつ、拒食症かもしれへん」ってな」
そんな口調、あの関西弁以外いない。まあ、わざとなんだろうけど
fk「そこまで頭が回ってなかった。ごめん」
気味が悪い。悪くない奴が謝る所はかなり気味が悪い。
「…ど、して、」
fk「なあに?」
「そ、…こま、で」
fk「助けたい人間の為に行動するのは普通でしょ?」
気持ち悪い。胸焼けする程の優しさを浴びるとこんなにも気持ち悪いのか。知りたくなかった
何もかもしんどくなって、だから早く死をせがんだのに。これじゃあ、もう死を望めない。望んでも、不可能に近い
fk「俺は目黒を助けたい。死にたくないって言わせたい。だからさ、助けてって言ってよ。」
呼吸が落ち着いてきて、話せるようになってきた。酸素マスクを外して深澤と目を合わせる
「助けを乞うなんて、そんな事してなんの意味がある?今更、残りの人生幸せに生きようとかそんなの思ってない」
fk「ただの俺のエゴだよ。痛みに気づいてない目黒を助けたい。ただそれだけ。」
「っは、気づいてない?痛みに?あんたに俺の痛みがわかるのかよ。困ってる人間を放っておけない、だから助ける?幸せアピールか何か?」
iw「おい、それ以上言ったら」
「言ったら何?殺してくれる?」
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作者名:みっつめんず | 作成日時:2022年1月6日 7時