希望、それは戯言 (ページ49)

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その時は突然訪れた。ラウールと目黒は出掛けていき、全員珍しく任務がなかったため、リビングは騒がしい。と思いつつ、全員集合してしまっているのだが。

sk「阿部ちゃん！明日嫁のフィギュアが発売されるんだけどさ…」
「ついてきてってことでしょ。」
sk「さっすが！！」
「しょうがないな…」

なんてがやがやしていたら、玄関から音がする。…叫び声？照が向かっていけば泣き声まで聞こえてきた。

「…何で」
ru「めめが！…めめ、めめっ」
iw「とりあえず落ち着け。目黒がどうした。」
ru「僕を追ってきた人を撒こうとしてる…」
「追ってきたってどういう事？」
iw「阿部、今は後だ。ラウールを頼む。俺が行ってくる。」
「待って、流石に1人は危険すぎる。」

また無茶してるとかいう。色々気になりすぎるけど、確かにそれどころじゃない。

dt「俺が行くよ。」
「…舘さん。うん、適任だね。頼んだ。」

舘さんが照の分も一緒に既に武器を手にしていた。この2人なら得体の知れない人間でもどうにかなるだろう。

iw「さんきゅ、舘さん。んじゃ、行くか。」

そう言って、家を飛び出して行った。さて、この腕の中にいる子をどうしようか。

玄関からリビングに繋がる扉は一応開けておいて、ソファに座らせる。ふっかと康二に目線を合わせてバトンタッチをする。聞き上手なふっかとラウールの話を聞いていたらしい康二に任せれば、何とかなるだろう。

nb「大丈夫かよ、目黒。ラウールは、2人がいるし何とかなりそうだけど。」
「…信じるしかないよ。」

おろおろしている佐久間を見つめながら、そう言った。信じる事しか出来ないけど、それが1番大事だ。

もう1時間は経ったような気がする。不安で堪らない。無線もないから状況が分からない。すると、玄関の扉が開いた。思わず扉の方へ駆けよれば

iw「阿部！頼む！呼吸が浅くなってる、！」
「…っ、リビング来て。佐久間、応急セット持ってきて！ふっか、ここから先生の場所までの最短ルートと時間割り出して！」
ru「めめ！っ嫌、嫌！！僕のせいで、僕がっ！！！」
kj「ラウっ！落ち着いて、ゆっくり呼吸しよ、な？」
nb「んだよこれ、何があったんだよ！」

照が運んできた目黒の姿はあまりにも酷かった。腹部からの大量出血。吐血したのか服がほぼ真っ赤に染っている。

「目黒、目黒！聞こえたら手握って……駄目だ、反応ない。照は車のスタンバイして。ふっか！照についてって。」

既に置いてあった応急セットで止血していく。頼むから生きてくれ。死ぬ気で生きてくれ、！