·？？？ ページ38
ab「…いい歳して泣かないでよ」
sk「阿部ちゃん！！阿部ちゃんには感覚がないの゛！？」
ab「いや、あるけど」
sk「めめのあの時の姿見たら分かるでしょ！？息がどんどん浅くなって…あぁ」
ab「いや、思い返さないでよ。あの時ほんとに怖かったんだから…」
何この状況。どうしたらこれ収まるの。こちらとしては申し訳ない気持ちが出てきて、何か気まずいんだけど。
dt「調子はどう？それと、これ。」
「……」
ラウールと康二くんが離れた後、舘さんが椅子に座ってノートを渡してきた。これで話せっていう意味か？
『あの後怪我しなかった？』
dt「ふふ、先に自分の心配した方がいいよ。」
「怪我はしてないよ。追い詰めることは出来たんだけど、逃げられちゃってね。仇取れなくて申し訳ない。」
『それは大丈夫。怪我なくてよかった。』
そう書いてみせると、舘さんは微笑んだ。とりあえず怪我がないならよかった。そんな風に暫く2人で話していたら、ラウールが飛びついてきた。傷口が痛んだ気がする。
dt「こら、ラウール。飛びつくのはよくないよ。」
iw「現に目黒、顔を歪めたしな。」
ru「え！？ごめん！！めめ！！」
『大丈夫だけど、離れて。』
平和な世界ってこの事なんだろうか。皆が皆笑っている。もちろん泣き腫らした顔をしたやつもいるけど。
それからはちょくちょく数人で来ていた。全員で行くのは、医者が苦い顔をするからもうやめておくとか言っていたな。
面会時間もすぎ、先程まで来ていた佐久間くんと舘さんが帰ったからか余計に1人なのがなんだか落ち着かない。
1人、独り、この言葉が嫌という程身に染みていたのに。何でこんなに怖くなってしまったのだろう。もうずっとこの事しか考えてない気がする。星達が輝く夜空を見ていたら、人影が見えた。
『んは、みっーけ。』
窓枠に捕まって器用に体を縮こませて、そいつはそう言った。思わず臨時体制に入ろうかと思ったが、怪我のせいで動けない。
『どーどー、今は何もしないから！』
よっ、と言って部屋の中に入ってきた。呑気そうなのに、さっきから体の震えが止まらない。威圧感が凄い。こいつ、何者。
『あれれ？怪我酷そうだね〜汗出てきちゃってる。』
自分でもよく分からない。何でこんなに体が拒否反応を起こしているのか。冷や汗が止まらないのか。
『怯えてんの〜？かっわい〜』
そう言って俺の顎を掴んで顔を思いきり近づけてくる。心臓がどんどん早く動いていくのを感じる。
『もう逃がさないよ、被験者No.3』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 286人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みっつめんず | 作成日時：2022年1月6日 7時
