希望、それは戯言 (ページ33)

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「え？」
sk「まず目黒は疫病神じゃありません！」
「でも、俺がいなきゃ怪我」
sk「そうかもしれない。でもね、俺目黒と出会えてよかったって思ってるよ。」
ru「…僕も一緒です。お兄さんに会って、ずっと息苦しかった日々が楽しくなった。」

でも、疫病神じゃなきゃあんな事は起きなかった。俺が、俺がいたから。

kj「そんな深く考えんと楽に考えればええんやで。」
「…深く」
kj「目黒が施設におらんくても、そうなっとったかもしれん。全部が全部自分のせいやと思う必要なんてないやろ。」
ab「ネガティブに考えすぎ。」
nb「それお前が言うの？」
ab「…いいでしょ、別に。」

深く考えなくていい。…ずっと考えすぎてたのか。ここにいても、いいのか。

fk「で？どうする？まあ、拒否権ないけど。」
iw「聞く意味あんのか。」
「……入ります。」

少しだけ光にあたっていたい。そんな事思ってる時点でもう後戻りは出来ないのかもしれない。

fk「ラウールは？どうする？」
ru「…僕も、入ります。」
sk「じゃあ、これで！？」
dt「完全に加入決定だね。」
sk「っしゃあ～！！」
nb「耳元で騒ぐな。」

その日の晩はより豪華な食事になった。壁に貼られた歓迎会という貼り紙を見て首を傾げていたら、渡辺さんに座らされ、皆でここ一番の賑わいを見せてきた。

どのくらい経ったのだろうか。とても早く感じた。個々が部屋に戻っていく中、ずっと気になる存在がいた。

「ラウール」
ru「え？何？」
「何企んでる。」
ru「…何にもないよ」

部屋戻るね。そう言って、いなくなった。自分にも分からない。分からないけれど、何だか胸騒ぎがする。ただの勘。だけど、どうしようもなく違うと言いきれない。

iw「目黒。もうそろそろ休め。」
「？」
iw「まだ完全に身体が回復したわけじゃないだろ。今は回復に専念しろ。」

そう言って、体をぽんと押された。とっくに回復してるつもりでいたけど、周りから見たら、違うのか…？

廊下を歩いていると、何やら物音がする。俺の隣の部屋…ラウールか。何かこそこそやっている。別にわざわざ見る必要も無い。なのに、扉の前に立っている。今行かなければ、後悔するような気がした。

ru「お兄さん…何しに来たの。」
「何するつもりだ」

部屋に入ってみれば、鞄を持って出掛ける格好をしている。何処へ？

ru「知ってるでしょ？僕狙われてるの。」
「だったら、尚更ここにいれば」
ru「…ごめんね。」

もう迷惑はかけられない。そう言って笑った。…何だそれ。