希望、それは戯言 (ページ29)

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「今までの俺は間違ってた？」
sk「違うよ。でも、1つ。死ににいくことだけは間違ってるよ。」
「じゃあ、どうしろっていうんだよ。どうしたらこんな胸糞悪い現実から逃げれるの。」

怖くて怖くて。1つ殴られる度に心の中で謝って。後悔して。消えたかった。ただ楽になりたかった。

nb「逃げなくてもいいんじゃねえの。」
「…どういう意味。」
nb「立ち向かえばいいだろ。…どうせ見放されたなら、そいつら全員馬鹿にしてやればいい。」
「そんなの、…」

出来ない。弱い俺には出来ない。結局何も出来ないから逃げたのか。…憐れ。憐れすぎる。

fk「…さっきさ、苦しいとか助けてとかそんなの捨てたって言ってたよね。でも、それってそんな自分を押し殺して見ないふりしてるだけなんじゃない？」

見ないふり？何それ、ずっとそう思ってたって事？分からない。自分の事なのに

「分からない。何で。自分の気持ち、」
fk「大丈夫。落ち着いて。」

優しく抱き締められる。やめてくれ。優しさの次は裏切りなんだ。それなら、最初から突き放された方が。やめてくれ。やめてくれ。

sk「俺らは裏切ったりしないよ。うん。命掛けてもいいよ。」
nb「そんな下劣な人間になるつもりねえし。」

底なしの優しさに触れる。ずっと拒んでた。いつしかなくなるから。簡単に綻んで、壊れて、消えて。これじゃ今度は手放したくなくなる。

「信用して、いいの。」
fk「はは。何を今さら言ってんの。俺はとっくに目黒の事信用してるんだけどな～。」
「徐々に慣れていけばいいよ。分からないことがあったら教える。大丈夫。もう独りじゃないから。ずっと目黒の傍にいるよ。」
「っ！……ぁ」

ずっとあった温もりが離れたと思えば真っ直ぐ目を見てそう言われた。目から何かが溢れ出して来た。…ふっかさんは慌ててる。

nb「今までの分、全部泣けよ。」
「〜〜っ」

余計に涙が止まらなくなった。それから次々と込み上げてくる苦しさ。ああ、こんなに苦しかったんだ。

sk「ほんと、よく頑張ったよ…」

佐久間くんが優しい顔をして頭を撫でてくる。ずっと拒み続けたのに、何でそんなに。

fk「座ってるのすらきつそうだね。背中、もたれていいよ…って、まだ無理か笑」

されるがままに体は横向きで肩に頭を乗せる。前には佐久間くんと渡辺…さんがいた。

sk「んはは、可愛いな…」
nb「やっと素直になったかよ。疲れた。」
fk「こら翔太。お前も素直になれ。」

苦しいよ＿助けてよ＿産まれた事自体が間違いだったの？

小さい頃はこんな事思ってたんだ。