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『雹隊十五班、聞こえたら応答を』
近くに置いていた通信機から声が流れる。
二宮は顔をしかめて、通信機を手に取った。
「十五班」という単語が聞こえたからか、上のベッドで相葉が身動きしたのが分かった。
「はい、こちら雹隊十五班」
『こちらは雹隊正門前守衛所。雹隊十五班の班員が帰還した。諸確認のためにこちらまで来ていただきたい』
顔を覗かせた相葉と目が合った二宮。
「あー……了解。向かいます」
相葉が苦笑するのが分かったが、二宮も苦い顔になった。
「また大野さんがアホみたいな量のスイーツを持ち込もうとしてるんじゃないだろうね」
「でも、わざわざ門番にこっちが呼び出されるんだよ？ 可能性はありそう」
はあ、とため息をついてベッドから立ち上がった二宮。
「ニノが行くの？」
「返事したの俺だしね。熱はないし、咳もだいぶマシになったし行ってくるわ」
「じゃあ俺も行く」
相葉もベッドから降りると、二宮の隣に立った。
「相葉さんも？」
「別にいいでしょ？」
「……まあ、断る理由はないけど」
へへ、と笑った相葉のことは気にせずに、二宮は寝室を出る。
二宮は部屋を見回して、ソファの上で眠っている松本を見つけた。
「あ、松潤寝てたんだ。だからさっきも返事しなかったんだね」
そう言って、音を立てないように寝室のドアをそっと閉めた相葉。
「いろいろあったし、疲れてるんだと思う。にしても」
もう一度部屋の中を見回した二宮。
「柳谷さんはいないんだね」
相葉も部屋を見回して、首を傾げた。
「あれ、本当だ。澪ちゃんいないね。部屋に行ったのかな？」
「そうかもね」
机の上のメモ帳に、『門番に呼び出されたから相葉と一緒に行ってくる 二宮』と書き残す。
松本の目に入りそうな場所にメモを置くと、二宮は相葉を振り返った。
相葉は鏡の前で、くしを片手に立っていた。
「行くよ」
「あ、ちょっと待って」
相葉は二宮に駆け寄って、二宮の髪を整える。
じとっとした目で相葉を見上げた二宮。
「……俺、そんなボサボサ？」
「うん」
「ならもう帽子被ろうかな」
「えー、待ってよ。俺が直すから、ほら」
できた、と二宮を鏡の前に連れて行く相葉。
映っているのは、むしろボサボサになったのでは？ という髪型になった二宮。
「どう？ ふわふわのニノ」
「俺の髪で遊ぶなよ」
「遊んでないよ、真剣だって……あっ」
有無を言わさずに帽子を被った二宮。
相葉はあーあ、と肩を落とした。
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翔成(プロフ) - 再開、待ってました！新しいお話の更新、楽しみにしてます！ (2022年9月3日 3時) (
レス) @page16 id: df0fa1ba00 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 折角なんで一から読み返して来ました。楽しかった〜♪ (2022年9月2日 17時) (レス) @page16 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
Kar(プロフ) - 嬉しいです(ृ´͈ ᵕ `͈ ृ ) 更新をのんびりお待ちしております！ (2022年8月30日 19時) (レス) @page15 id: 85f86a18df (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - おかえりなさい♪ (2022年8月30日 18時) (レス) @page15 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
ちろる - ちょいと寂しいけど、長い間ありがとうございました！良い人生を！ (2021年10月25日 0時) (レス) id: c48e44e08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2021年8月11日 8時
