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「ドミニク……あぁ」
大野も思い出したらしい。
しかし、警戒は緩めていない。
「人間か？ って問いかけに対しては何か返ってきた？」
「それには返答なし」
「怪しいな」
状況を考えれば無理もない。
人間なのかアンドロイドなのかを疑わなくてはならないからだ。
「あのさ。いくら前に話したことがあると言ってもさっきの一言で誰か分かるもの？ 名前まですぐに出てくるなんて」
松本は訝しげな顔をしている。
「普通は分からないよね」
「だね。顔も見えてないのに声だけで判別するのはなかなか難しいよ」
ってことはやっぱり、と櫻井は部屋の中に目を向ける。
「アンドロイドか」
「だろうね」
このまま突入するのは危険だ。
大野は通信機に手をかけた。
「こちら大野。現時点でのアンドロイドの情報をちょうだい」
『二宮です。アンドロイドの急所は腹の部分。データの送受信は頭にある部品でしてるっぽい』
すぐに二宮からの返事がある。
ずっと待機していたらしい。
櫻井と松本も通信に耳を傾ける。
「どっちを優先で壊すべき？」
『頭なんじゃないかと思う。データの送受信を止めれば、スピリットからの指示はなくなると思うから。それでもAI自体は搭載されてるだろうから、腹を破壊して動きを止めなきゃいけない』
顔をしかめた大野。
なかなか面倒な対処方法だ。
「どこかに一撃で完全に停止する場所とかないの？」
『まだその辺は解析が終わってないんだよ。アンドロイドの設計図は見つかったんだけど、出どころが訳アリなもんで』
「訳アリの設計図？」
『そう。ここだと話せないかな』
ふーん、と呟く。
通信では言えないとなると、かなりの訳ありだ。
『詳しいことは言えないけど。公安が関わってる可能性が高い。十分気をつけて』
「公安？」
反応したのは櫻井だった。
「二宮、公安もこの件で動いてるの？」
『表立っては動きなし。でも確実に裏では動いてるだろうね。やっぱり櫻井さんは気になります？』
「まあね」
櫻井の顔を見た松本。
「公安と何かあるの？」
「父親関連で」
そう答えて、櫻井ははたと思い至る。
「そういや松本は俺の父親のこと知らないんだっけ」
「聞いたことないね」
ああ、と肩をすくめた櫻井。
父親が国の役人であることを知っているのは、班員だと大野と二宮だけだ。
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翔成(プロフ) - 再開、待ってました！新しいお話の更新、楽しみにしてます！ (2022年9月3日 3時) (
レス) @page16 id: df0fa1ba00 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 折角なんで一から読み返して来ました。楽しかった〜♪ (2022年9月2日 17時) (レス) @page16 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
Kar(プロフ) - 嬉しいです(ृ´͈ ᵕ `͈ ृ ) 更新をのんびりお待ちしております！ (2022年8月30日 19時) (レス) @page15 id: 85f86a18df (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - おかえりなさい♪ (2022年8月30日 18時) (レス) @page15 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
ちろる - ちょいと寂しいけど、長い間ありがとうございました！良い人生を！ (2021年10月25日 0時) (レス) id: c48e44e08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2021年8月11日 8時
