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ドアのロックを解除した大野は顔をしかめる。
何かがおかしい。
「二人とも、いつでも戦闘に入れるように構えといて」
「了解」
少し離れた場所にいる二人が構えたのを確認して、大野はドアを開けた。
途端に飛んできた蹴りを避け、大野は飛びかかって床に押さえつける。
その頭上を飛び越えて行った影が二つ。
「ニ、行ったよ！」
大野の声に反応した櫻井と松本。
二人が戦い始めたのを確認して、大野は押さえつけた相手に目を落とす。
どうやら床に頭をぶつけたらしく、男は意識を失っていた。
「これは人間か」
廊下に目を向けて大野は唸る。
アレボルの中へと続く廊下は普段は明るい。
真っ暗ということは何かが起こっているのだ。
「終わった」
「こっちも終わったよ」
松本と櫻井の声に振り返る。
相手を気絶させたらしく、地面に倒れている男が二人いた。
「お疲れ様」
松本が近寄ってきて顔をしかめる。
「暗いんだな」
「そう、暗いんだよね。普段は明るいんだけど」
「そうなの？」
櫻井が小型の懐中電灯をポケットから出す。
「明かりはあるけどどうする？ やめとく？」
「うーん……やめといた方がよさそう。暗いけど見える？」
大野の問いかけに顔を見合わせた二人。
暗闇に入ってもすぐに見えるように訓練は受けている。
「この暗さならギリギリじゃない？」
「俺もそう思う」
「分かった、じゃあこのままで」
パタン、とドアを閉めた大野。
ロックがかかる音がしたところ、やはり電気は通ったままだ。
ということは、あえて電気をつけていない。
数秒目を閉じて開け、目を慣れさせる。
「なんかタチが悪い罠仕掛けられてない？」
嫌そうな声を上げた大野。
「本当だ、何これ」
櫻井も嫌そうな顔をしている。
「ピアノ線……だよね、これ」
「だろうね」
微かに反射している、廊下に数本張られている細い糸。
気づかずに進めば、確実に怪我をする。
はあ、と大野はため息をついた。
「爆発物処理用の道具が役に立つとはね」
雹隊十五班は爆発物処理の専門班ではない。
それでも、雹隊隊員ならば爆発物処理の基本は仕込まれる。
その関係で、処理道具も班で一人は持っているのだ。
ニッパーを取り出した大野。
「切っても大丈夫そうなら切るけど。どう？」
ピアノ線を確認していた櫻井と松本。
「連動した罠とかはなさそう。全部切っていいと思う」
「俺も同意見」
「オッケー」
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翔成(プロフ) - 再開、待ってました！新しいお話の更新、楽しみにしてます！ (2022年9月3日 3時) (
レス) @page16 id: df0fa1ba00 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 折角なんで一から読み返して来ました。楽しかった〜♪ (2022年9月2日 17時) (レス) @page16 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
Kar(プロフ) - 嬉しいです(ृ´͈ ᵕ `͈ ृ ) 更新をのんびりお待ちしております！ (2022年8月30日 19時) (レス) @page15 id: 85f86a18df (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - おかえりなさい♪ (2022年8月30日 18時) (レス) @page15 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
ちろる - ちょいと寂しいけど、長い間ありがとうございました！良い人生を！ (2021年10月25日 0時) (レス) id: c48e44e08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2021年8月11日 8時
