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「で、どのテーブル？」
大野が川嶋と名乗った男に問う。
やはり、川嶋の頬の傷が気になる。
ただ触れるのも良くないのだろう、と思って櫻井は黙っていた。
「おそらくアレ、だろうな」
川嶋の視線を追って、頷いた大野。
「了解、ありがと。櫻井、行くよ」
「はい」
大野が「櫻井」と呼んだことで、櫻井も察して返事をする。
おそらく、ここでは必要以上に情報を知られないほうが良いのだ。
大野の部下という紹介をしたのに、部下を名前で呼ぶのは怪しまれる、という大野の判断なのだろう。
大野の後を追い横に並ぶと、大野がコソッと話しかけてきた。
「この場所で一番偉いのが川嶋さんなの。あの人に認められれば、他の人からは何も言われない」
確かに、先ほど感じていた視線が消えている。
疑いの目だったのだろうが、それが綺麗に消えた。
偉い人に認められるというのは、こういうことなのか。
川嶋が示したテーブルの近くにたどり着いて、周りを見回す。
テーブルの周りには数人の男が立っている。
サングラスをしていて目元は見えないものの、外国人だということは分かった。
「あーゆー……」
大野がカタコトの英語で話しかけようとするのを見て、櫻井が苦笑する。
なるほど、二宮が言っていたのはこういうことか。
“Who are the people who exchange information with us?”
櫻井がそう問うと、数人が櫻井に目を向けた。
ここが勝負どころだ、と櫻井は身構える。
“You're not Ninomiya, are you?”
男が一人話しかけてくる。
“Yes, I'm here on behalf of Ninomiya. I'm Sakurai.”
大野は会話についていけないのだろう、黙って櫻井の顔を見ている。
“What is your relationship with Ninomiya?”
“He's a colleague.”
“Colleague? Why didn't Ninomiya come?”
一瞬答えに詰まった櫻井。
目を泳がせたものの、すぐに返した。
“Why, huh? It means he trusts me.”
詰めてきていた男が黙る。
どうやら考えているようだ。
“All right, let's talk about it. I'm Dominic.”
“Dominic, nice to meet you.”
“Nice to meet you too, Sakurai. You'll be translating for Ohno, won't you?”
“Yeah, that's why I'm here.”
大野を振り返った櫻井。
「この人たちみたいです。始めましょう」
「……何がなんだかわかんねーけど、やれるならやろうか」
大野は肩をすくめた。
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翔成(プロフ) - 再開、待ってました！新しいお話の更新、楽しみにしてます！ (2022年9月3日 3時) (
レス) @page16 id: df0fa1ba00 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 折角なんで一から読み返して来ました。楽しかった〜♪ (2022年9月2日 17時) (レス) @page16 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
Kar(プロフ) - 嬉しいです(ृ´͈ ᵕ `͈ ृ ) 更新をのんびりお待ちしております！ (2022年8月30日 19時) (レス) @page15 id: 85f86a18df (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - おかえりなさい♪ (2022年8月30日 18時) (レス) @page15 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
ちろる - ちょいと寂しいけど、長い間ありがとうございました！良い人生を！ (2021年10月25日 0時) (レス) id: c48e44e08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2021年8月11日 8時
