277. ページ27
「やっぱりスピリットはAI説が濃厚？」
「だろうね。どこの誰だか知らないけど、相当高度なAIを開発した人間がいたみたいだよ。そしてどうも厄介なのがアレ」
二宮がテレビを指差す。
「あの行進、全員が人間ってわけじゃないみたい。ロボットが紛れ込んでる。アンドロイドもいるんだよ」
「……は？」
メールに書いてあったでしょ、と二宮はパソコンの画面を見ながら呆れている。
「ちゃんと読んだ？」
「なんとなくは把握したけど」
急いで読んだため、細かいところまでは把握しきれていない。
ここまでの事態になっているのだ、世界各国が動いているらしい。
「色々飛ばしてもらって、どれが本当の人間でどれがアンドロイドなのか区別できないか試してる」
「そんなに似てるわけ？」
はい、と答えたのは柳谷だ。
「温度も人間の体温とほぼ同じで見た目も動きもそっくり。金属探知機を使おうにも、銃を持って歩いてるから機能してくれないんです」
苦戦してるみたいですね、と柳谷もパソコンの文字を目で追っている。
「アンドロイド関連は柳谷ちゃんがやってるの？」
「はい」
「大野さんはさっさとそれやって、あの集団の素性を明かしてよ。たぶんあれはアンドロイドを作った集団だよ」
「ごめん、やるわ」
イラついた二宮の声に、慌てて大野も解析に取りかかる。
「ニノは何やってんの？」
「このテロ、三十分前に予告されてたんだよ。メールが届いてたらしい。その発信元を特定できないかって言われてやってるんだけど」
「難しいの？」
ちら、と覗いた二宮の顔はしかめられている。
「ノーログなんだよ。VPNとTorを使ってるっぽい。こりゃ事業者に協力してもらわなきゃいけないな。協力してくれるかすら怪しいけど」
これで事業者側にもログが残ってなかったらお手上げだよ、とぶつぶつ文句を言っている。
松本は民間にどこまで情報が漏れてるかを確認しつつ、相葉と二人で通信機の連絡を聞き逃さないようにしているらしい。
大野は画面をじっと見て、「ニノ」と呼びかける。
「なによ」
「この集団の名前って、ファントム？」
この言葉にえ、と振り返ったのは二宮と柳谷だ。
「名前が分かったの？」
「うん、これたぶんファントムだよ。翔くんは気づかなかったの？」
そう声をかけるが、ヘッドホンをして集中している櫻井の耳には届いていないらしい。
「ファントム……見覚えはあるような」
パソコンに向き直った柳谷。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 548人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翔成(プロフ) - 再開、待ってました！新しいお話の更新、楽しみにしてます！ (2022年9月3日 3時) (
レス) @page16 id: df0fa1ba00 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 折角なんで一から読み返して来ました。楽しかった〜♪ (2022年9月2日 17時) (レス) @page16 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
Kar(プロフ) - 嬉しいです(ृ´͈ ᵕ `͈ ृ ) 更新をのんびりお待ちしております！ (2022年8月30日 19時) (レス) @page15 id: 85f86a18df (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - おかえりなさい♪ (2022年8月30日 18時) (レス) @page15 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
ちろる - ちょいと寂しいけど、長い間ありがとうございました！良い人生を！ (2021年10月25日 0時) (レス) id: c48e44e08a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2021年8月11日 8時
