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大野や二宮も首を傾げていたのだ。
雲隊も、スピリットのことは把握しきれていなかったのだ。
「大野くん、言ってたもんね。あの現場のとき」
あぁ、と相葉が思い出すような表情になった。
相葉が足を骨折したあの現場。
相葉が、スピリットを殺したあの現場。
「『だから雹隊を送り込むのはやめとけって言ったのに』だよね。あれも変な言葉だった」
「雹隊じゃないなら何？ って感じだもんね」と言う相葉に、櫻井もつられて苦笑する。
確かにおかしかったのだ。
それに深く突っ込まなかった二宮も、雲隊のことを知っていたからだったのだろう。
上からの命令が直前で変わった、とやけに不機嫌そうにしていた大野の姿を思い出すと、そこまでは大野に伝わっていなかったのかもしれない。
「この内容見てたら分かるよ。雹隊でやるようなものじゃない。でも、雹隊の上はないことになってたし、雲隊だと多くの人数は動かせない。拠点制圧にはどうしても人数が必要になる。だからこそ雹隊を動かした」
「たぶん翔ちゃんの言う通りだと思う。だから大ちゃんもあんなこと言ってたのかもね」
大野自身は怪我をしていて現場には行けない。
非戦闘員にしては珍しく現場に多く出ている二宮だが、やはりあの現場は非戦闘員が出るようなものではなかった。
うまく立ち回ることができる二宮ですら「現場に俺を送るな」とぼやいていたのだ。
それでも二宮が現場に出たのは、雲隊の隊員としてどうしても情報が必要だったからなのだろう。
大野の怒りは何重にもなっていたのかもしれない。
二人の話を黙って聞く柳谷。
柳谷は知らない話だ。
「結局あの現場で班が二つ解散したし。雲隊にいるくらい能力が高かった隊員も亡くなったんだから痛手だったでしょ」
「そうだよ。そのせいで俺も特殊戦闘員にされたんだし」
勘弁してくれよ、と櫻井は顔をしかめる。
「あれもある意味では上の判断ミスだったのかもね」
あのときに解散した班の補充が来た日に話す内容でもないのかもしれないが、やはり思うところはある。
この件がもう少し考えられていたら、あの二班は解散せずに済んだのではなかっただろうか。
「得体の知れない謎の相手を敵にして戦えって言われたって困るわけだよね。こっちは実体があるもの相手じゃなきゃ戦えないのに」
相葉は肩をすくめる。
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翔成(プロフ) - 再開、待ってました！新しいお話の更新、楽しみにしてます！ (2022年9月3日 3時) (
レス) @page16 id: df0fa1ba00 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 折角なんで一から読み返して来ました。楽しかった〜♪ (2022年9月2日 17時) (レス) @page16 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
Kar(プロフ) - 嬉しいです(ृ´͈ ᵕ `͈ ृ ) 更新をのんびりお待ちしております！ (2022年8月30日 19時) (レス) @page15 id: 85f86a18df (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - おかえりなさい♪ (2022年8月30日 18時) (レス) @page15 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
ちろる - ちょいと寂しいけど、長い間ありがとうございました！良い人生を！ (2021年10月25日 0時) (レス) id: c48e44e08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2021年8月11日 8時
