267. ページ17
あぁ、と小さく笑った柳谷。
「寝れなかったんです。中庭を眺めてただけですよ」
確かに、隊長部屋の近くから中庭はよく見える。
「霰隊のときによくやってたんです。癖ですね」
大野と櫻井も柳谷に近寄る。
「外見るの好き？」
「そうですね。部屋の中にいるよりも、外を見る方が好きです」
それを聞いて二宮も思い出した。
一人部屋にある窓は、外が見えない。
換気用にある窓は下開きになっており、磨りガラスで出来ている。
「一人でこうしてると落ち着くんです。人が多いと落ち着かないのに、部屋に一人なのも苦手みたいです」
今日は曇りですね、と空を見上げる柳谷。
気持ちは分からなくもない。
一人が苦手な人がいるからこそ、十五班は同じ部屋で暮らしているのだ。
「……夜中に部屋から出ない方がいいよ。起きてる人が少ないから、何かあっても気づく人がいない。危ないからね」
大野の言葉にふふっと笑った柳谷。
「気をつけますね。ありがとうございます」
「本当に気をつけるんだよ？ 夜中の襲撃とかたまにあるんだから」
「はい。まあ、少しなら私も反撃できるので」
柳谷は軽く構えをとって、蹴る動作をする。
確かに、相手を怯ませる程度の体術は身につけているらしい。
「それに、何かあったらすぐに通信入れますよ」
大丈夫です、とまた外を眺めた柳谷。
掴みどころがない人だ。
「一人が嫌なら、十五班の部屋で寝る？」
大野の言葉に、え、と顔を向けた柳谷。
「いいんですか？」
「うん。柳谷ちゃんが嫌かなあって思って別の部屋にしてたけど。一人の方が嫌ならこっちおいで。場所とかは考えなきゃいけないけど」
ねえ、と二宮と櫻井を見た大野。
「まあ、そうですね。俺はどっちでもいいけど」
「俺も。相葉くんと松本がどう思うかかな」
んー、と大野は唸る。
確かに二人の意見も聞かなくてはならない。
「……私は、一緒の方がありがたいですね。一人だと寝れないので」
柳谷はそう言って頭を下げる。
「じゃあ二人にも聞いてみようか」
「大野さんが言い出した時点で反対はしなさそうですけどね」
そう言って肩をすくめた二宮。
櫻井も苦笑する。
なんだかんだで大野が決めたことに反対する班員は少ない。
「でも、決まったらちゃんと隊長にも報告するんだよ。変に疑われるのも面倒だから」
「分かってるよ。俺もそのくらいは分かってるって」
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翔成(プロフ) - 再開、待ってました！新しいお話の更新、楽しみにしてます！ (2022年9月3日 3時) (
レス) @page16 id: df0fa1ba00 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 折角なんで一から読み返して来ました。楽しかった〜♪ (2022年9月2日 17時) (レス) @page16 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
Kar(プロフ) - 嬉しいです(ृ´͈ ᵕ `͈ ृ ) 更新をのんびりお待ちしております！ (2022年8月30日 19時) (レス) @page15 id: 85f86a18df (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - おかえりなさい♪ (2022年8月30日 18時) (レス) @page15 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
ちろる - ちょいと寂しいけど、長い間ありがとうございました！良い人生を！ (2021年10月25日 0時) (レス) id: c48e44e08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2021年8月11日 8時
