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「せっかくあいつらの勢力を減らせたと思ったのに、新しい班も向こう寄りならやってられない。別の方法を考えないとな」
「そうだな。狙いをつけるなら、やっぱりあの女か？」
「いや、あの女は難しいだろう。直属の部下はさすがに厄介だ」
ここまで聞けば、柳谷も何のことか分かった。
雹隊十五班と敵対している人間の会話だ。
柳谷は顔をしかめたまま、そのままじっと動かずに止まる。
一人で歩いているところを見られたら、格好のネタになってしまうだけだ。
黙ってこの場に留まるしかない。
「にしてもあの女。銃の扱いを知らない世代だろ？ そんな世代を班員に入れたのもすごいわ」
「雹隊の隊員は、まだ世代的にも銃を扱えるしな。いろいろすっ飛ばして雹隊に入ったやつは困るんだよ」
銃の話。
そういえば、大野も何か言っていた。
昔は銃の扱いも学ぶものだったのだろうか。
少なくとも他の五人は銃を扱えそうだった。
「近いうちに射撃場での訓練、再開されるってよ」
「え、そうなの？」
「あぁ。だからそのときに」
声は遠ざかっていき、何も聞こえなくなった。
柳谷はさらに二分ほど待ってからドアを開ける。
誰もいないことを確認してからさっと部屋を出て、また同じようにヘアピンを使って鍵をかける。
とりあえず訓練場に一度戻って、服についた埃を軽く落とした。
そのままにしておいても目立つため、一応持ってきておいた袋の中に埃を拾い入れる。
さて、とまた天井を見上げた柳谷。
「高さの違いは三十センチくらいかな」
意味もなくここだけ天井を下げる、なんてことがあるだろうか。
先ほどの柱と考えたら。
「隠し部屋」
うーん、と柳谷は考え込む。
こんなところに隠し部屋を作ったとして、その理由も分からない。
とりあえず訓練場の中を歩き回って、いろんな物の配置を覚える。
何か言われたら、念のための確認だったと言えばいい。
『柳谷さん、聞こえたら応答を』
イヤホンから二宮の声が聞こえて、さすがに柳谷もマイクを手に取った。
「はい。柳谷です」
『今どこにいる？』
「訓練場です」
一瞬の間があって、二宮の声が続いた。
『訓練場？ 何でそんなところに』
「この間の訓練で、物の場所が分かってなくてご迷惑をおかけしたので。覚えようと思ったんです」
『そんなの当たり前でしょ、気にしなくていいのに。部屋に戻っておいで』
「分かりました」
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翔成(プロフ) - 再開、待ってました！新しいお話の更新、楽しみにしてます！ (2022年9月3日 3時) (
レス) @page16 id: df0fa1ba00 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 折角なんで一から読み返して来ました。楽しかった〜♪ (2022年9月2日 17時) (レス) @page16 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
Kar(プロフ) - 嬉しいです(ृ´͈ ᵕ `͈ ृ ) 更新をのんびりお待ちしております！ (2022年8月30日 19時) (レス) @page15 id: 85f86a18df (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - おかえりなさい♪ (2022年8月30日 18時) (レス) @page15 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
ちろる - ちょいと寂しいけど、長い間ありがとうございました！良い人生を！ (2021年10月25日 0時) (レス) id: c48e44e08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2021年8月11日 8時
