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「やっぱりこれ、おかしい」
訓練場を見回した柳谷。
訓練場の構造は、どの部隊でもほとんど同じになっている。
細かいところはもちろん違うが、霜隊から霰隊に変わったときには感じなかった違和感が、雹隊にはあった。
入り口に立って見回したときに感じる、圧迫感。
こんなものは他の訓練場では感じない。
すっと天井を見上げた柳谷。
他の場所よりも天井が低い。
訓練場のドアを閉め、隣にある保管室に向かった柳谷。
保管室のドアは鍵がかかっていた。
元は銃の保管をするために使われていたこの部屋は、今ではもう使われていない。
鍵がかかっているのも当然だ。
柳谷は動揺せず、服に挟んでいたヘアピンを手に持った。
しばらくいじると、カチャリと鍵が開いた音がする。
そのままドアを開けて中に入ると、入り込んだ風で埃が舞った。
「……本当に使ってない部屋なんだ」
保管室の天井は他の場所と同じだ。
隣同士なのに、訓練場と保管室の天井の高さが違う。
天井の高さが違う理由は、特に聞いていない。
保管室の棚を覗いて回り、隅に置かれていたファイルを見つけた。
中身を見てみると、部隊建物の見取り図だった。
隊員は見取り図など持っていない。
自分で場所は覚えなくてはならないし、見取り図があるとも思っていなかった。
全部隊の見取り図があることを確認して、頭の中に叩き込む。
覚えた見取り図を頭の中で比較してみて、柳谷は保管室の隅に目を向けた。
「これ、かな」
雹隊の保管室にだけある柱。
他の場所にはないことを考えると、おそらくこれは建物に直接関係する柱ではない。
柱に近寄って軽く叩いてみると、音が反響して聞こえた。
中は空洞だ。
壁に寄りかかって、腕を組んだ柳谷。
果たして、これは深入りしてもいいものなのか。
今の段階ではまだ判断できない。
『雹隊十五班、聞こえたら応答を』
耳につけていたイヤホンから、そんな声が聞こえてきた。
黙ってそのまま聞いていると、二宮が応答した。
大野と櫻井が戻ってきたのだろう。
このままここにいるわけにもいかない、と柳谷はドアに向かって歩き出す。
部屋を出ようとドアノブに手をかけたとき、人の声が聞こえた。
「新しい班はハズレだよ。あのチビの方に寄ってる」
何の話だろうか。
外に出るわけにもいかず、柳谷は眉をひそめた。
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翔成(プロフ) - 再開、待ってました！新しいお話の更新、楽しみにしてます！ (2022年9月3日 3時) (
レス) @page16 id: df0fa1ba00 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 折角なんで一から読み返して来ました。楽しかった〜♪ (2022年9月2日 17時) (レス) @page16 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
Kar(プロフ) - 嬉しいです(ृ´͈ ᵕ `͈ ृ ) 更新をのんびりお待ちしております！ (2022年8月30日 19時) (レス) @page15 id: 85f86a18df (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - おかえりなさい♪ (2022年8月30日 18時) (レス) @page15 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
ちろる - ちょいと寂しいけど、長い間ありがとうございました！良い人生を！ (2021年10月25日 0時) (レス) id: c48e44e08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2021年8月11日 8時
