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41 You ページ41

北「お疲れ。」

『北斗。ごめんね、お待たせ。』




夜、仕事が終わってから店を出ると、
北斗は外で待っていてくれてて。


よく仕事終わりに少しだけボードゲームでもしようって約束してるの。

今日はたまたまその日で、迎えに来てくれたみたい。



帰り道は、今日何があったの?なんて
なんでもない話をしながら並んで歩いたり。






北「は?あいつが来た!?」

『うん。スカート買って行ってくれたよ。』




あいつ、というのは
お昼にスカートを買いにきてくれたあのお客様。



城下で声をかけられてから、
北斗はあの人をすごく危険視してるみたいで。


しばらくの間、海から戻った午後はいつも店に顔を出してた。

仕事終わりでくたくただっただろうに。




北「日が経ったから油断した。まさか今頃来るなんて…。」




何もされてない?



前に回り込んで、そう私の両腕を擦ったり顔を覗き込んだり。




『されてないよ。すごくいい人だった。』

北「もう、なんですぐ俺を呼ばないわけ?
何かあったらどうすんだよ。」




すぐ呼ぶって…

そんな大きな声出ないよ。
北斗の家までどれだけ離れてると思ってるの。




北「やっぱちゃんと毎日いるべきだった…。」




後悔したように項垂れながら、足元の小石を一個蹴って。



北斗は私のことを心配性だというけれど、
私からしてみれば北斗の方がよっぽど。


北斗、自分がうちのお客様からなんて呼ばれてるか知ってるの?




「あれ、Aちゃん。今日は番犬いないの?」

「俺いつか君のわんちゃんに噛みつかれちゃいそう。」




だって。


北斗は犬じゃない。

そんなこと言われて、私はちょっと嫌なのに。




北「勝手に言わせとけよ」




なんて笑うんだ。




『北斗あんまりお店に来ない方がいいんじゃない?』

北「え…」




大好きな北斗が、大好きなお客様に疎まれるの私やだもん。

そう思っただけだったんだけど…




北「なんで?俺がいたらまずいことでもあんの?」




曲がった路地で壁に追い込まれてしまった。




『ちょ、ほく…』

北「俺に隠れて会いたいやつでもいんのかよ。」

『何言って…』




ぐぐっと顔を近付けられて何も言えなくて。


しどろもどろする私に少し不機嫌になった北斗は、
なんでもねぇよ、と頬を膨らませて離れていった。




『北斗お客様と仲良くしてよ。』

北「お前そのうち拐われちゃいそうで怖い。」

『そんなまさか。』


過去編終わり

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設定タグ:松村北斗 , 京本大我 , SixTONES   
作品ジャンル:恋愛
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momo(プロフ) - 綾鷹さんお久しぶりです。久々に読み返しています。まだ途中までしか読めていませんが全てを知った上で読み返すと、自然と涙が溢れてきます。きょもの気持ちも、北斗の気持ちも、主人公の気持ちも、カヤの気持ちも。全て知った上で読むとさらに切ないです。ずっと大好き (2022年4月30日 20時) (レス) @page16 id: 7c710f6426 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - いつもご感想ありがとうございます、とてもとても嬉しいです!カヤちゃんのことも好きになってもらえてよかったですー!がんばります! (2019年5月6日 6時) (レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)
momo - なんだか、このお話を読んでいて、使用人のカヤの事を思うと胸が苦しくなって面白いです! このお話やっぱり大好きで、目が離せません!頑張ってください。 (2019年5月5日 10時) (レス) id: cbb25d61fe (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - momoさん» おわわ、恐縮です…!ありがとうございます!これからの展開も好きになって頂けるよう祈りつつ頑張ります! (2019年5月1日 20時) (レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - なゆさん» いつもコメントありがとうございます、とても嬉しいです。このお話の京本くんは一途すぎるくらいに書きたいと思っていたのでそう捉えて頂けてよかったです! (2019年5月1日 20時) (レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾鷹 | 作成日時:2019年4月15日 7時

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