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Aが覚えていようといまいと、
たとえ俺のことを好きじゃなかったとしても。
気持ちを伝えるのは絶対この日だって決めてた。
今日あの子は、俺より少しだけ遅い誕生日を迎えて二十歳になる。
大人になったら、なんてざっくりした約束の
一番最初の日にどうしても言いたかったんだ。
.
「「かんぱーい！！」」
街の酒場でジェシーと二人、
最近覚えたばかりの酒をまだ明るいうちから煽ってお祝い。
二人とも職業柄、仕事の終わり時間が早くて、
サシで飲むときは毎回この時間。
決して俺らがダメな人間というわけではないからね。
ジェ「いや、まじでもどかしかったね。
やっとくっついたんだ。」
北「別に…心配なんかしてなかったけど。」
ジェ「よく言うよ。こないだだって、Aがちょっと男の客と話してただけですげー顔してたくせに。」
北「それは…！」
あの客、Aを口説こうとしてたから…って
まぁその話は今はいい。
このジェシーというのは俺とAの友人で、
数年前、海の向こうから出稼ぎでこの街にやってきた大工の青年。
すげーいいやつで同い年だから話しやすいし、
しかも案外人のことよく見てるんだよ。
俺がAのこと好きなのもすぐ気付かれちゃって。
別に隠してたわけでもないけど…
それでよく茶化されたりもしたな。
ジェ「北斗もわかりやすかったけど、
Aなんかあんなに全部顔に出てんのに、お前なにしてんのってずーっと思ってた。」
北「うるせぇな。当事者はいまいちわかんねぇんだよ。」
ジェ「北斗頭いいけどばかなとこあるもんね。」
HAHAHA、なんて店中に響く大声で笑いやがって。
しかも俺がちょっと席を立った間に会計まで済ませてた。
北「払わせろよ。」
ジェ「今日お祝いだから。その分Aに花でも買ってやれば？」
待ってなにそれ、かっこよすぎない？
なんか悔しい…。
北「俺花なんかわかんねぇよ…。」
ジェ「もー、女口説いたことくらいないの？」
北「あるわけねぇだろ！」
ジェ「あ、そっか。Aしか見えてないもんね。」
店内に響く二度目のでかい声にイラつきながら、
返せる言葉もないので
喜びそうな花教えろ、と足早に店を出た。
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momo(プロフ) - 綾鷹さんお久しぶりです。久々に読み返しています。まだ途中までしか読めていませんが全てを知った上で読み返すと、自然と涙が溢れてきます。きょもの気持ちも、北斗の気持ちも、主人公の気持ちも、カヤの気持ちも。全て知った上で読むとさらに切ないです。ずっと大好き (2022年4月30日 20時) (
レス) @page16 id: 7c710f6426 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - いつもご感想ありがとうございます、とてもとても嬉しいです！カヤちゃんのことも好きになってもらえてよかったですー！がんばります！ (2019年5月6日 6時) (レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)
momo - なんだか、このお話を読んでいて、使用人のカヤの事を思うと胸が苦しくなって面白いです！ このお話やっぱり大好きで、目が離せません！頑張ってください。 (2019年5月5日 10時) (レス) id: cbb25d61fe (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - momoさん» おわわ、恐縮です…！ありがとうございます！これからの展開も好きになって頂けるよう祈りつつ頑張ります！ (2019年5月1日 20時) (レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - なゆさん» いつもコメントありがとうございます、とても嬉しいです。このお話の京本くんは一途すぎるくらいに書きたいと思っていたのでそう捉えて頂けてよかったです！ (2019年5月1日 20時) (レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾鷹
| 作成日時：2019年4月15日 7時
