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蒼弥side
朝起きると
雨は降ってないものの雲行きが怪しく
頭がズキズキと痛む
蒼弥 「はぁ...」
よいしょ、と体を起こして
しばらくぼーっとする
大体こういう時に仕事に行くと
優斗と喧嘩して帰ってくる
行くの、辞めようかな
スマホを手に持って
グループラインを開く
タタタ、と
打ち込んでいる音が静かな部屋に響く
蒼弥 「送信、」
飛行機マークを押そうとした時
横から何かが飛び出してきた
蒼弥 「わっ、」
そいつは俺に抱きついてきて
俺の手からスマホを落とした
蒼弥 「何すんだよ、」
バカ犬、と叱ろうとすると
くぅん、と俺を見て鳴いた
ごめんなさい、と言うように俺を見て伺う
蒼弥 「次はないからね、」
少し項垂れてしまった頭をよしよしと撫でてやると
心がちょっとだけ軽くなった気がした
なんでだか分かんないけど、
今日ならうまくやれる気がする
今まで優斗に冷たく接しすぎたのかもしれない
ふとそんなことを思った
蒼弥 「ありがと、」
役に立てたのが嬉しいのか
尻尾をちぎれんばかりにぶんぶんと振っていた
電車に乗って
人混みに潰されかけて
やっとついた頃にはぐったり
しかも優斗はまだ来てないし
ソファーにもたれかかり、10分、20分と過ぎた頃
優斗 「っ、セーフ！」
優斗が滑り込んできた
振り向こうと思うけどだるくて振り向けない
ノロノロしていると優斗がこっちに来た
優斗 「蒼弥、どこか辛い？大丈夫？」
今までとは違う対応に少し驚くけど
ちょっと嬉しくなる
蒼弥 「え、あ、うん...ちょっと頭が痛くて...」
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作者名：soya._.soya | 作成日時：2021年5月25日 22時
