緑で回る日常11

歪んだ愛 ページ31

駆け寄ってくる
作ちゃんと優斗

俺のことを抱きしめると、
涼から俺を引き離す

何を考えているのか分からない
ぼーっとした目で優斗と作ちゃんを見ている涼を
ゆっくり近づいてきた瑞稀くんが
思いっきり平手打ちした

パンっ！
と乾いた音が響く

涼 「っ、！」

瑞稀 「馬鹿じゃねぇの！？
傷つけて、こうやって監禁して！
ガリさんの顔見てみろよ！」

守られる様に抱かれた俺の涙が伝った顔を見て

涼 「ぁ...」

小さく声を漏らした

瑞稀 「頭冷やせよ」

そう言って瑞稀くんに連れ去られた涼
その背中はもういつもの涼と変わらなかった

優斗 「そうやん、大丈夫...？」

蒼弥 「うん...」

作間 「嘘だ、無理しなくていいんだよ」

そう言って作ちゃんにギュッと抱きしめられて
優斗に頭を撫でられて
俺はまた泣いてしまった

蒼弥 「怖かった...よっ、ぐすっ」

作間 「怖かったね、すぐ気づかなくてごめんね」

優斗 「よしよし、」

涙を拭いてもらってから
もう一度抱きつく

体の震えが止まらない俺を
作ちゃんと優斗は俺が眠りにつくまで
ずっと抱きしめてくれていた

久しぶりの安心感に包まれて
俺はすぐに眠ってしまった

ーーーーー

眠りについた夜中、
玄関の扉のガチャリと言う音で目が覚めた

蒼弥 「...」

何となく嫌な予感がして
隣で寝ている優斗と作ちゃんと
後から来て俺のことを抱きしめてくれたのであろう
瑞稀くんを起こさない様にして走る

玄関のドアを開け、
外を見ると小さくなって行く誰かの後ろ姿

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