緑で回る日常13

スーパーヒーローになれなかった俺 ページ5

諦めないで
毎日通っていたけど

ずっと鍵がかかったままで

保健室の先生に聞いても
首を横に振るだけだった

その時にやっと自分の無力さに気づいた

考えて、悩んで、また考えて

そこから1週間後の雨の降っている日
覚悟を決めた俺は保健室の扉の前に立った

優斗 「蒼弥、いる、よね？」

返事はなくて

でも続けた

優斗 「今までずっと、守ってあげられなくてごめん
恋人なのに、俺逃げてばっかりだった
でももし、許してくれるなら...
これからは蒼弥の側にずっといて
蒼弥を全てから守るから...
だからお願い、ここを開けて、」

そう言って扉に手をかけると
鍵が開く音がしないのに扉が開いた

優斗 「っ！」

バン、と扉を開けてベッドを見たけど
蒼弥はいなかった

優斗 「蒼弥....？」

あたりを見回しても人の気配すら無くて
机の上にポツンと緑色の便箋が置いてあった



外からガヤガヤとみんなの声がして
それが悲鳴に変わった時

大きな音がした

何かが落ちるような音

全てを悟った俺は
ヘナヘナと座り込んだまま動けなかった


救急車のサイレンの音
先生たちが指示を出す声
みんながドタバタと走り回る音...

こんな俺が
蒼弥が最後に残した手紙を読む資格はなかった

俺が動いていれば
蒼弥はああならずに済んだのだから

...蒼弥を殺したのは俺なんだ....

______

優斗 「っ、」

はっと目が覚めると
汗をびっしょりとかいていて

毎回ここで目が覚める

夢でさえ蒼弥を救えないまま


これは俺に下った天罰なのだろうか

優斗 「....」

答えは出ないまま

けれど、
この先生という仕事をしていても
拭えない蟠りを持ったままでも
どんなに苦しくても

もう一度あの頃に戻れるなら
きっと今頃2人で笑い合ってるだろう

そんな夢、叶わないだろうけど



ふと、校庭に目をやると
雨の中ひとつの傘に入っている橋本君と井上君がいた

優斗 「生まれ変わりとか、
あんまり信じてないけどさ...
もし2人生まれ変わったら
今度こそずっと一緒にいような、」

写真の中の蒼弥の顔が
今の俺に向けて笑いかけた気がした

end

パセリまみれ様リクエストありがとうございました！
遅くなってすみません...)汗

いつでもリクエスト受け付けてますので
又是非よろしくお願いします！

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