緑で回る日常13

マフィア10 ページ26

樹side

なかなか
思うようにいかない

いつもだったら1人だから
何の気兼ねもなく相手を消して
血をつけたまま家に帰って風呂に入り
倒れ込むようにして寝るだけなのに

血を綺麗に拭って
風呂入って、メシ作って....

マフィアがこんなままごとみたいな事してるとか
前だったら呆れてたのに

何故か自分でも分からないほど
蒼弥に惹かれてしまっていたのだ

閉じ込めて独占したいと思うほど

樹 「...ばかみてぇ...」

仕事の時間だからと
置いてきてしまったけど
頭の片隅どころかど真ん中にずっといやがる

お陰でタイムロスばかり

それでも怪我を負うなんてヘマしないけど

樹 「ただいま、」

玄関を開けて、
綺麗に体を洗って血の匂いを取ってから
蒼弥のいる扉を開ける

蒼弥 「おか、えり...」

いまだに警戒心を解いていないからか
怯えるような目で俺を見てくる

笑顔なんて一度も見せてくれた事がない
会話もほぼ交わさない

それでも何故か
こうやって同じ部屋にいたかった

こんな風に誰かといるなんて
もう一生ごめんだと思っていたのに

_____

慎太郎 「おーい、樹！」

笑顔で俺を呼んでからあいつを失ってから
もう2度と大切な人なんて作らないって決めてたのに

_____

どうしてお前は、
俺の心に土足で入ってくんのかな、、

いや、俺が招き入れたのか

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