3節 ページ4
〇月×日のこと。
昼間の事だが、机で誰かが大量のおにぎりを食べているのが見えた。女の人であるはずだが、それにしてもかなりの量である。こんなに食べきれるのかと疑問に思っていると、彼女の方からこちらに気がついて食べる手を止めた。
「貴方は誰ですか?」
「………………」
咄嗟に問われ、答えることが出来なかった。否、答えなかった。警戒していた為だ。
それを彼女は何と勘違いしたのか、こちらに山になっているおにぎりのうちの1つを渡してきた。
「おなかがすいているのですか?答えることが出来ないほどに………」
「………………………」
「あ、きっとこっちが名乗らないからですね。初めまして、私はアルトリア・ペンドラゴンです。よろしくお願いします」
「………ハンス・クリスチャン・アンデルセンだ」
仕方なく名乗ると、彼女はこっちを見て、また、おにぎりを差し出してきた。俺は断ろうとしたが………
「おなかいっぱい食べないと、背は伸びませんよ?成長盛りの子供は特にそうです」
「誰が育ち盛りの子供だ!」
ついぞ、叫んでしまった。その後、メディアやマシュが止めに来るまで、アルトリアに対して猫パンチ同然の殴りをいれていた。
彼女についてあえて記すとするならば、食べ過ぎで生活習慣病になる………いや、ご飯だけで生きていけるような、底無しともいえる胃袋の持ち主で、どこでどう消費しているのかが不安になるレベル………としておこうか。
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作者名:シオシオ | 作成日時:2016年10月10日 1時