23節 ページ25
☆月×日のこと。
最近何故か、マスターが部屋に籠ったまま、反応を返してくれない。
申し訳ない話、確かに第6特異点に入ってからは幾ら頑張っても何度も負けるものだからな………。マスターが失望するのも無理はない。
「マスター……」
俺は話しかけてみた。だが、マスターは反応をしてくれる様子もない。
何があったのだろうか。
凄く、寂しい。
静かに、腕を伸ばそうとすると、師匠が静かにその腕を掴んで、こう言った。
「今、マスターは必死ですのよ。…………たったひとつの思いを抱えて」
「何故あんなに必死なんだ?回答の1つでも返してくれればよいものを!」
師匠……………メディアに対し、強い口調になってしまった。
それに対し、彼女は静かに言い聞かせるように、こう言ってきた。
「マスターは、テスト週間中、なのですのよ?貴方だって、執筆中に邪魔されたら怒りますでしょう?」
「……………テスト週間?」
聞き慣れない言葉だった。
だが、何か安心してしまった。
「よ、良かった……………見捨てられてた訳じゃないのか………!」
俺はその場で座り込んでしまった。
その様子をみて、メディアはクスクスと笑っていた。
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作者名:シオシオ | 作成日時:2016年10月10日 1時