FGO アンデルセンのパーティー観察日記 (ページ23)

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21節ページ23

「……………穏やかな寝息を立ててますわね」
「うん。そうだね………とても、安らかだ」
　
　少しずつながら、アンデルセンの熱は引いていた。
　師匠、と彼が呼んだのは、メディアの事で間違いないだろう。何せ、日記をこっそりと読むことがあったからだ。
　
「感謝しますわ、黒いサンタさん」
「この程度、小さな貸しだ、stay nightのキャスター。それに、私はサンタクロースだ。皆に幸せを与えず、何がサンタだろうか」
　
　メディアとサンタオルタがそんな会話を投げ交わす。
　サンタオルタは、アンデルセンに近づき、その水色の髪を撫でる。
　
「………子供は、素直だな。こやつも、結局そうだ。弱いものはは嫌いだが、今回ばかりは、子供ということで免じてやろう」
　
　そう彼女が呟くと、安心したような表情をした。サンタオルタは、子供が大好きなのだろう。だからこそ、このように耐久の低いキャスターをも助ける。
　
　そう安心したとき………

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「ん…………うぅ………」
　
　と、俺は呟き目を開けた。
　まるで、長く眠っていたかのように、ゆっくりとした物だった。
　
　先程とは違い、今度はしっかりと景色が見える。
　すぐそばで手を握っていたメディアは、涙を溢れさせた瞳をしていた。
　頭を誰かに撫でられていると思ったら、いつぞやのブラックサンタが安心したような表情をしていた。
　その後ろには、マスターがいた。聖母ともとれるような穏やかそうな表情だった。
　
　俺は、こう呟いた。
　
「………おはよう」
　
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　その後のことを少し書き残すとしよう。
　俺を撫でていたブラックサンタことサンタオルタは俺の髪から手を離すと、マスターを廊下に連れ出し、この馬鹿トナカイだなんだかんだ言った後、何やら宝具を放ったらしい音を出していた。
　ブラックサンタがこちらに戻ってくるときには、あの赤黒い刀身が更に血か何かで赤く染まっていた。心なしか、袋も赤く染まっていたが。
　メディアのほうはと言うと、これが魔女なのかと疑わしくなるほどあまりにも優しくなっていた。本性はこの姿なのだろう。
　俺のほうはというと、３日たった今でも完全に治ったわけではなく、37度台を行ったり来たりしている位だ。まあ、微熱の範囲内だろう。
　
　日記に関してだが、メディアから聞いた話によれば、猛獣以外は覗いたことがあるとのことだった。なんだか、恥ずかしいものである。