FGO アンデルセンのパーティー観察日記 (ページ22)

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20節ページ22

後ろに立っていたのは、サンタオルタだった。
　
「トナカイ。何をぐずぐずしている。回復スキルとやらを使うがよい。そこの子供の病気なぞ、回復スキルですぐに治る」
　
　私は唖然とした。前を向くと、メディアも目を丸くしていた。
　パッと手を離され、現状を理解できぬまま、回復スキルを使った。
　
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　突然、痛みが和らいだ。ほんの少しとはいえ、起き上がりやすくはなった。
　意識は明確ではないが、この状態なら、まだ、使えるだろう。
　白んでいる景色から、手探りでノートとペンを探りあてる。感覚を、感じる。
　
「では、お前の人生を書き上げよう。タイトルは、そうだなぁ………『貴方の為の物語』………だ」
　
　書き上げ、痛みが更に和らいだ。意識はまだ、ぼんやりとしている。
　痛みがない分、まだ、安心できる。
　
　良かった。
　
　また、ベッドに倒れた。それでも、先程とは違い、安心できる。
　誰かの手が、俺の手を握る。
　温かい手だった。
　それだけでも、一人じゃないと、安心できた。
　
　ボヤけた意識のなか、
　
「………師匠………いるんですね。それだけでも………安心できます」
　
　と、呟いた。
　あれほど寒さを感じていたのに、今では、暖かさを感じる。
　今度は、安心して、眠りについた。