２節 ページ3
〇月〇日のこと。
マスターが唐突に、強化素材狩りに行こう。と誘ってきた。俺は当然、断ろうとした。
｢何故突然になって、この俺を使うんだ。俺はただの作家だ。戦闘向きのサーヴァントではない｣
｢知ってるよ？だからこそだよ！君の実力を見てみたいのさ！彼女とともにね！｣
まるで話が噛み合わなかった。マスターはもしかしなくても阿呆な人物なのかもしれない。
そう思って、あきれ果てて彼女の横を見てみると、ローブを羽織り、目元までフードを被った女性がいるのに気がついた。
その女性は怪しげな雰囲気を纏っており、一目でキャスターだともわかった。そして同時に、あまり人を信用していないとも見えた。
彼女はメディアといった。メディアもまた俺と同じく、第四特異点終了後に強化されたサーヴァントらしかった。
｢とりあえず、紹介するね！彼がハンス・クリスチャン・アンデルセン！キャス子と同じ、キャスターだよ！｣
嬉々としてマスターはメディアに俺の事を紹介した。彼女を見ると、すぐにでもマスターを見切り、その魔術で命を奪うのではないかと思えた。
彼女はあまりこちらに目もくれず、俺と共にマスターに連れられ、強化素材狩りとやらに連れていかれた。
｢足を引っ張りましたら許しませんわよ………｣
｢わかっている｣
軽く返したが、内心は不安だった。初戦という訳では無かったが、本当に彼女の足を引っ張ってしまい、もしかしたら全滅してしまうのではないかとも思えた。
結果は完璧とも言えるものだった。相手が相性のいいアサシンであったこと、メディアの持つ宝具(ルールブレイカーと言っていた)が攻撃系宝具であったことがよかったのかもしれない。
その後、メディアと話をしてみることにした。すると………
｢あら、アンデルセンじゃありませんの！可愛らしいこと！貴方が女の子ならすぐにでも着せ替えてお人形にするのに！｣
｢…………………マスター！メディアに狂化でもかけたのか！｣
｢かけてないよ？そんなこと出来るほど強くはないさね☆｣
そうとらえてもおかしくはない変わりようだった。その後、メディアは落ち着いたが、狂乱した魔女など目も当てられない(特に自分がその狂乱のあとの対象になるなど)状況と言えた。
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作者名：シオシオ | 作成日時：2016年10月10日 1時
