１２節 ページ13
〇月★日のこと。
最近はあまり何も書くことがない。その時々のことを何も思い出せないのかと言われるが、決してそういう訳ではない。確かに様々な出来事が起こるが、｢非日常も３日たてば日常になる｣と誰かが言ったように、猛獣に見習い娘の宝具が当たって猛獣が死んだ扱いされたり、師匠(メディアの事だ。彼女はサーヴァントとしても、人としても、様々学ぶべきものをくれる。まあ、彼女に対して師匠と呼んだことはない)が腹ペコ王を着せ変えて遊んだり、マスターの妻(仮)な清姫が相変わらずマスターにベタベタしていたりなどばかりである。それらはもう、日常茶飯事の為か、流石にそれらを書き記していたら日記帳が足りなくなってしまう。
それらを踏まえ、今回のことを記そうと思う。師匠とともに、裁縫をしているということだ。
師匠であるメディアは、公式で記されている通り、裁縫が得意である。彼女の場合、ただ作るだけで、本人が着ることはないが。大体において、俺で試してから、腹ペコ王に着せようとする(女装慣れしてるのは半分以上これがある。ちなみに、サイズはまずは俺で合わせた後、腹ペコ王用に大きくする。なんだか傷付く)。
俺の場合、生前に近所の子供達相手に自作の人形用の服を作って人形劇を何度も披露したことがあり、裁縫はある程度できる(史実だ。父が靴職人だったと作者が言ってた。どうやらなんかの授業でやったらしいな)。
いつも通り、師匠と共に服を作っていた訳だが、その様子を腹ペコ王に不意に見られた。ただ、タイミングが悪すぎた。
｢…………｣
｢あ、あら…………セイバー………こ、これは………そ、その………ね？｣
｢………………………どうしたんです、そのアリス服｣
｢あ、いや、その………｣
師匠が俺に試着させてる時だった為か、一番見られたくないタイミングではあった。きっと、とんでもなく怖い表情をしているだろうと思ったが、あの腹ペコ王、こっちの腕をつかむなり、部屋の外に連れ出して、衆人環視の中、
｢…………新しい、娘ができました！｣
と言い出した。しかも、それをマスターや見習い娘、清姫に見られてしまい、ものの見事に笑われてしまった。
後々、マシュから聞いた話だが、腹ペコ王には息子がいるらしく(どう見たって女性らしいが)、それと義理の兄妹になるらしい。マシュとしては、それも面白いらしいが、俺としては性別を間違われたようで気にくわない。
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作者名：シオシオ | 作成日時：2016年10月10日 1時
