現実?【1話】 ページ3
チュンチュン
鳥の鳴き声と、カーテンから漏れる光で目を覚ます
「...朝だ」
ぼんやりとした意識のまま階段を降りて、洗面台へ向かう
顔を軽く洗うと、少しすっきりした
私は歯を磨いた後、リビングへ行く
「おはよう、A」
この人はトリエルさん
私が地下へ落ちたころからなにかと世話をやいてくれる
私の母親のようなモンスターだ
地下に落ちる前の記憶がないため、本当の母親はわからないが...
「A、今日は予定あるの?」
「うん、サンズとお出掛けするの」
「悪い人には気を付けてね」
「悪い人?」
「そうよ、悪い人があなたを襲うかもしれないからね」
「私、気を付けるね」
「それと、ついでにこれをアズゴアに渡しといてくれるかしら?」
渡されたのは金色の花束
「わぁ...綺麗」
思わず声を漏らす
「あら、気に入ったの?」
「うん、これ何処で買ったの?」
「アズゴアに貰ったのよ」
「アズゴアさんに?」
「そう、また仲良くしてくれないかって。返そうと思ってたけど、Aが気に入ったならあげるわ」
「ありがとう、トリエルさん!」
私は早く花瓶に入れようと階段をかけ上がる
「怪我しちゃうわよー」
「はーい」
注意してくれたトリエルさんに返事をする
そして自室の扉を開く
机の上にはなにも入ってない花瓶
この間、花瓶に入れていた花が枯れてしまったからだ
その中にそっと金色の花達を入れる
私は朝からラッキーだなと思った
*
「ごめん待った?」
駆け足で彼のもとへ行く
「はは、今来たばかりだ」
「よかった...」
こちらを見てニコッと広角をあげて笑う彼、サンズ
ジョークが好きで、美味しいお店を沢山知っている
「今日は何処に行くんだ?」
「久々にグリルビーズ行こ!」
「お、いいな。オイラ近道知ってんだ」
彼はこちらに手を差し出す
私はそっとその手を握る
そして彼と一緒に歩く
すると、いつの間にかグリルビーズ
「今日、人少ないね」
「あー、皆仕事なんだろう」
「そっか...忙しいんだね」
「ああ。オイラ達も明日は仕事だから、今日はゆっくりしてこうぜ」
「うん!」
カウンターの席に座る
「グリルビー、ポテトを1つ頼む」
彼はポテトを1つ持ってくる
「ケチャップはいるか?」
「今日はいいや。ポテトいらないの?」
「オイラはケチャップがあるからな」
「それもそっか」
*
今日は良い1日だった
そう考えながら、私は眠りに落ちた
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作者名:星野空 | 作成日時:2021年3月8日 16時