Return ページ12
『ｹﾎｯｹﾎｯ…はぁ、はぁっ…』
「大丈夫。大丈夫。側にいるよ」
マネさんに賛成だと言っていただいて
一気に貼っていた緊張の糸が切れて、電話で席を外したマネさんをボーッと見送ってると
ジェボマがぎゅってしてくれて、やっとちゃんと息を吸えてると分かったら今度は喘息の発作が出て苦しくなる。
なんだか子供の頃に戻ったみたい。
お父さんがいた…あの頃に。
「ヒョン呼んだ？Aヌナ、発作？」
「ん。相当気ぃ張ってたから。
悪いんだけど、俺のベッドに転がってる薬と体温計持ってきてくれるか？」
「うん、すぐ取ってくるね」
『はぁっ、ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ、んっ…お、とうさ…』
「(ナデナデ)…A」
『ﾋｯｸ…ｹﾞﾎｯ！ｺﾞﾎｺﾞﾎｯ！…はぁっ!、ｼﾞｪ、ﾎﾞﾑ』
「A、大丈夫だよ。ここにいる。ゆっくり、ゆっくり…」
抱っこしたAは、昨日の夜に戻ってしまったんじゃないかと思う程に熱くて。
泣くから発作も出るし、なんだか譫言の様に繰り返し呼んでいる。
俺と"お父さん"
「ヒョン、持ってきた！」
「ありがと。ちょっと、支えてて…」
『やっ、!!、まって…ｺﾞﾎｺﾞﾎｯ!、』
「大丈夫。Aヤ〜ここに居るよ。
ん、サンキュ(ﾄﾝﾄﾝ)」
マネヒョンを出迎えに行くと
「ジェボマと話しあるから部屋にいて」
と言われまた戻る。
暫くするとジェボミヒョンに呼ばれてリビングに行けば、Aヌナを抱っこしてるヒョン。
近寄ると、ヌナは苦しそうに泣いていて。
ヒョンに頼まれた物とヌナのバッグを持っていく。
マネヒョンにヌナにはバンで待っててもらうって
聞いてたから。
熱を測るのに少しだけ、ヒョンから離すと
途端に不安で探すヌナは見ていて痛々しい程だ。
でも、きっとジェボミヒョンなら大丈夫。
とりあえず…ヒョンに飲むもの持っていこう。
静かに二人の側から離れてキッチンに。
【ピピっ】
「39度…まずいな…」
『はぁっはぁっ…ｹﾞﾎ、はぁ…』
「ごめんな…折角良くなってきてたのに…」
『(ぎゅっ)ｹﾎｯ、ｼﾞｪﾎﾞ、ﾏのせい…違う、よ？…ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ!』
「Aヤ…大丈夫か？吸引出来そう？」
『やっ、だ…っ、し、ない、』
「ダメ。もっと苦しくなるぞ」
『いいっ、ジェボマが、苦しんでるっはぁっのに
楽に、ｺﾞﾎｯｹﾎｯ!、楽、いや』
「ばか。…お前が苦しいから、苦しいんだよ。
ほら、口開けて…」
『はぁっ、はぁっ、ごめん、ね…っ』
「謝ることしてない。ほら…」
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作者名：ハニ | 作成日時：2017年9月1日 5時
