・ ページ5
.
.
エレベーター内の青白い蛍光灯に照らされた隆平の横顔は
肌が白く
唇が赤くて
繊細で美しかった。
私が見とれて
つい
何も言えず黙っていると
「…今の
気にしたん？」
そう、伏せた瞳で聞いてきた。
「…」
「…今は、君が一番やから。」
隆平は
そう言って
私を見た。
せつなげな
隆平の顔が近づく。
柔らかなくちびるを感じた。
私達は
なんども
唇を重ねる。
「あいたかった…」
隆平はくちづけながら
そうもらした。
私は
その言葉が、本心でもそうじゃなくても
やっぱり胸が苦しくなって
泣きそうになった。
でも
我慢した。
唇が離れた時
瞳に涙がぎりぎりまで溢れてしまっているのが分かったのか
隆平は
その日初めて
ふふっと微笑んだ。
優しい、笑顔だった。
そして
瞳のきわに
小さなキスをくれた。
それをきっかけに我慢できなくなって
ぽろぽろと涙がいくつも流れる。
隆平は、そんな私を見て
「ごめんな。」
と言った。
「泣かせちゃって、ごめんな？」
そして
まるで幻じゃないことを確かめるように
強く
私を抱きしめた。
私は全体重をあずけて
彼に溶け込んだような
幸福感に満たされていく。
そして
エレベーターは
二人を乗せて
登っていった。
.
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 498人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ありえへんコンビの嫁(プロフ) - 感動して涙が出ました (2021年8月29日 22時) (
レス) id: 39f9ce47b8 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄(プロフ) - NobuYouさん» そうなんですー。丸山さんの為にどこまで堕ちるのかテーマにしたかったんですー！ていうか堕ちてみたいという願望のみで成り立つお話になっています…でも最近の丸山さんは頑張っていてほんと闇ないかんじで、それは素晴らしいことなんですけど先に進みません笑 (2017年5月29日 8時) (レス) id: acb9af0565 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - 丸ちゃんのアンバランスさ、葡萄さんの表現の繊細さならではですね。主人公さんの周りには堕ちていかないよう助けてくれる人が周りに居て恵まれてるなって思っていたのに、安田さんは敵？味方？タップして次のページに行くのがもどかしいです。それ位早く先が読みたい！ (2017年5月28日 21時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
葡萄(プロフ) - ゆ きさん» ゆきさーん！(^^)いつもありがとう！！どうですか謎に包まれたこの物語。誰か解くことはできますかね。狂気を秘めた安田さんは美しいですよ… (2017年4月26日 17時) (レス) id: acb9af0565 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ き(プロフ) - 朝からおじゃまします葡萄さん！！描写の向こうにある狂気がこちらにまで届く描き方、いつも素晴らしくてため息がでます。そして何よりも、なにもかも先が読めないよー…。まさに暗闇の迷宮。 (2017年4月26日 10時) (レス) id: bb20386137 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葡萄 | 作成日時：2016年12月28日 11時
