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安田さんは、爪を美しく
しあげてゆく。
「…でも、やっぱり好きなら
しょうがないから
とことん、落ちるとこまで落ちればええんちゃいますかね。」
そう、安田さんは言った。
「…そう、思いますか。」
「僕は、結果的に、それをしてあげられなかったから
…少し、後悔してます。」
小さく、笑った。
ぼやけた
月明かり
安田さんは
最後
「人生一度きりやし、死なない程度に頑張ってください 笑。」
って、笑顔で言ってくれた。
私は再び
街に出る。
隆平は
今どこにいて
誰とどんな話をしているんだろう。
それとも
ひとりでいるのだろうか。
あの部屋で
あのキッチンで
冷蔵庫を開けて
何を作ろうか、悩んでる？
それとも
あのベッドで
子供みたいに丸まりながら本を読んでる？
何を思っている？
寂しいと思ってる？
それとも…満たされた思いでいる？
なにもかも全て知りたいなんて思わない
ほんの少し
本心が知りたいだけ
でも、
そんなことをいくら思っても
彼にとっては無駄な詮索だろう。
ありのまま、
なんてものを疑いもせず求めるような歳じゃなくなった。
誰だって
踏み込まれたくない領域がある。
隆平は
一生懸命、心の中で戦いながら
それを守っている。
時に笑顔を武器に
優しさを武器に。
愛おしく思う
そんな隆平を。
だけど、
隆平は
人にはすごく、
求める。
全て手に入れようとする。
そして
それをしても
壊れないか、たしかめている。
子供が悪気もなくおもちゃを乱雑に扱うみたいに
試す。
きっと
壊れたらおしまい。
そしたら、また、隆平は
次のものを、探し続けるんだろうか？
.
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ありえへんコンビの嫁(プロフ) - 感動して涙が出ました (2021年8月29日 22時) (
レス) id: 39f9ce47b8 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄(プロフ) - NobuYouさん» そうなんですー。丸山さんの為にどこまで堕ちるのかテーマにしたかったんですー！ていうか堕ちてみたいという願望のみで成り立つお話になっています…でも最近の丸山さんは頑張っていてほんと闇ないかんじで、それは素晴らしいことなんですけど先に進みません笑 (2017年5月29日 8時) (レス) id: acb9af0565 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - 丸ちゃんのアンバランスさ、葡萄さんの表現の繊細さならではですね。主人公さんの周りには堕ちていかないよう助けてくれる人が周りに居て恵まれてるなって思っていたのに、安田さんは敵？味方？タップして次のページに行くのがもどかしいです。それ位早く先が読みたい！ (2017年5月28日 21時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
葡萄(プロフ) - ゆ きさん» ゆきさーん！(^^)いつもありがとう！！どうですか謎に包まれたこの物語。誰か解くことはできますかね。狂気を秘めた安田さんは美しいですよ… (2017年4月26日 17時) (レス) id: acb9af0565 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ き(プロフ) - 朝からおじゃまします葡萄さん！！描写の向こうにある狂気がこちらにまで届く描き方、いつも素晴らしくてため息がでます。そして何よりも、なにもかも先が読めないよー…。まさに暗闇の迷宮。 (2017年4月26日 10時) (レス) id: bb20386137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄 | 作成日時：2016年12月28日 11時
