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ぼやぼやした視界と、はっきりしない意識。
目が覚めるとそこは、光に、満ちた真っ白な部屋。
朝日は真っ白なシーツを照らして。
それは、白すぎて逆に何も見えなくなってしまっていて、明るいはずなのに、私達の先になんて何も見えはしなかった。
まだ隣で寝てる重岡くんの顔を見れば、静かな寝息を立てていて、笑みが零れた。
昨日から開いていない携帯を開いてみれば、望からの何件かの不在着信の文字。
しかし、望の名前の中に、一件だけ「はまちゃん」の名前があった。
その名前にどきり、として、何もかもはまちゃんはわかっているような気がして、電話をかけた。
ほんの数秒ではまちゃんは電話に出た。
「もしもし、」
「どこ行ってたん？」
はまちゃんの声は落ち着いていて、いつもと何も変わらなかった。
「あの、」
「全部分かっとる。分かっとるからはよ帰ってこい。迎えに行くから」
「じゃあ、大学まで迎えに来て…」
「分かった、すぐ行く」
一気に現実に引き戻された。
やっぱりはまちゃんは私のことなんて全て見透かしているのだろう。
電話が切れて小さくため息をつくと、重岡くんが起きていた。
「…もう、行かなあかんの？」
「うん、ごめんね」
「…また会える？」
「…会えるよ、」
何の確証もない約束を交わせば、あなたはそっと私に口づけをした。
それは甘くて苦くて、長かった。
でも、それが離れない内に私の携帯の音が響き渡った。
画面にははまちゃんの文字。
重岡くんからそっと離れて、私は彼の家を後にした。
大学まで歩けば、そこにははまちゃんの車が既にあって、私はそれに無言で乗り込んだ。
「望、心配になって家来とるで。お前ら昨日会う約束してたんちゃうん？」
すっかり忘れてしまっていた。
重岡くんのことしか考えていなくて、頭に無くて。
望が昨日の夜、どんな気持ちでいたのかなんて、考えたく無かった。
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みなみ(プロフ) - ゆん°さん» ここまでありがとうございました！！！ (2017年5月15日 21時) (
レス) id: 53336b01a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん°(プロフ) - 読んだよ〜！完結おめでとう！！ (2017年5月15日 21時) (レス) id: 5c49c99a1a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - ありがとうございます！そう言って頂けるととてもやる気が出ますし、嬉しい限りです。これからも更新ペースは遅いかもしれませんが、物語を丁寧に紡いでいけるように頑張りますので応援よろしくお願い致します！ (2017年5月5日 20時) (レス) id: 53336b01a0 (このIDを非表示/違反報告)
はまやん(プロフ) - みなみさんの世界観が好きです、言葉遣いが綺麗で、比喩の部分とか素敵だと思います。切なさが文に表れていて心が揺らされます。好きです。忙しいとは思いますが頑張ってください。 (2017年5月5日 20時) (レス) id: 140c01c743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みなみ | 作成日時：2017年4月9日 15時
