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小さなその肩に手を触れようとした時、彼女は震えた声で話し始めた。


「分かってたけどさ…大毅の一番じゃないことくらいずっと分かってた。
それでも、一緒に居られるならそれでいいって。
だけど、大毅が私の傍に居てくれたのは、大毅の傍に一番の子が居ないから。
大毅の一番大切な人ってこの間大学で会った子でしょ?
大毅の顔見てすぐ分かった。
それから大毅がその子のことしか考えてなくて、私の話なんて聞いてくれなくて…
それでも笑顔で頑張ってたのに、そんなの意味なかったんじゃん…
もう全部分かってるから、」


「由依っ、」




由依は一方的に話すと部屋を一人出ていった。



彼女を追いかけようと、勢いよくしまったドアに手をかけたけれど、今の自分には彼女を追いかける資格なんてない気がして、やめた。



それからは彼女から連絡が来ることも、俺から連絡できることもないまま。
そして、Aちゃんからも一切連絡が来ないままただ日々が淡々と過ぎていった。


そんなある日大学のキャンパス内を一人で歩いていると、Aちゃんを見かけた。


無意識の内に彼女を追いかけていた。

そして話しかけようとした瞬間にAちゃんは誰かに手を振った。

彼女の視線の先には、スーツを着た背の高い男が立っていた。


柔らかい笑顔で微笑んだその男は、本当に大切そうに彼女の手を握ると車に乗り込んでいった。


助手席に座った彼女も、心から幸せそうだった。



大きな車に乗り込んだ二人はそのまま行ってしまった。


数週間後、俺の家にAちゃんからの葉書が届いていた。

何かと思って慌てて読んだ俺は、そのまま泣き崩れた。


遅すぎた。遠すぎた。



俺は、涙が枯れるほどに、子供みたいに泣いた。



Aちゃんからの結婚招待状を握りしめたまま。




大人になってあの頃より縛りが無くなったことで忘れかけていたけれど、彼女は社長令嬢で俺と一緒になんている身分の人では無かったんだと、今更思い出した。


俺は、久しぶりに由依に電話をかけた。



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みなみ(プロフ) - ゆん°さん» ここまでありがとうございました!!! (2017年5月15日 21時) (レス) id: 53336b01a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん°(プロフ) - 読んだよ〜!完結おめでとう!! (2017年5月15日 21時) (レス) id: 5c49c99a1a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - ありがとうございます!そう言って頂けるととてもやる気が出ますし、嬉しい限りです。これからも更新ペースは遅いかもしれませんが、物語を丁寧に紡いでいけるように頑張りますので応援よろしくお願い致します! (2017年5月5日 20時) (レス) id: 53336b01a0 (このIDを非表示/違反報告)
はまやん(プロフ) - みなみさんの世界観が好きです、言葉遣いが綺麗で、比喩の部分とか素敵だと思います。切なさが文に表れていて心が揺らされます。好きです。忙しいとは思いますが頑張ってください。 (2017年5月5日 20時) (レス) id: 140c01c743 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みなみ | 作成日時:2017年4月9日 15時

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