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夏の青空に浮かぶ太陽は笑っていた。
「A、めっちゃ綺麗!」
「ふふっ、本当?望も似合ってる」
そう言えば望は照れ臭そうに頬を赤くする。
今日は私たちが幸せになる日。
美しい鐘の音が、鳴り響いた。
重そうな扉の前で父と目を合わせた。
父は、今までで一番幸せそうに優しく笑った。
私の父は妻を失って、その代わりに妻が残してくれた私にただ幸せになって欲しかったのだろう。
優しさを履き違えていたけれど、不器用な父の優しさに、あの頃よりも少しだけ大人になった私は、やっと気付くことが出来た。
扉がゆっくりと開く。
私と父は腕を組んで歩き始めた。
拍手に包まれる。
参列者の中には重岡くんと由依ちゃん。
重岡くんと目が合った。
重岡くんは私に微笑みかけて、「綺麗やで」って口パクで言った。
私も、「ありがとう」と言った。
隣に居るゆいちゃんも、優しい目をしていた。
望のいる所に辿り着けば、神父が誓いの言葉を言う。
「誓います。」と言って、二人向き合う。
交わした誓いのキス。
幸せが、歓びが、溢れた。
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みなみ(プロフ) - ゆん°さん» ここまでありがとうございました!!! (2017年5月15日 21時) (レス) id: 53336b01a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん°(プロフ) - 読んだよ〜!完結おめでとう!! (2017年5月15日 21時) (レス) id: 5c49c99a1a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - ありがとうございます!そう言って頂けるととてもやる気が出ますし、嬉しい限りです。これからも更新ペースは遅いかもしれませんが、物語を丁寧に紡いでいけるように頑張りますので応援よろしくお願い致します! (2017年5月5日 20時) (レス) id: 53336b01a0 (このIDを非表示/違反報告)
はまやん(プロフ) - みなみさんの世界観が好きです、言葉遣いが綺麗で、比喩の部分とか素敵だと思います。切なさが文に表れていて心が揺らされます。好きです。忙しいとは思いますが頑張ってください。 (2017年5月5日 20時) (レス) id: 140c01c743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなみ | 作成日時:2017年4月9日 15時