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その日は大学をさぼって、一日中部屋に引きこもっていた。
特に何をするでもないまま日中を過ごせば、気付けば日は落ちて、暗くなっていた。
夕日にも、夕焼けの美しさにも気付かずに夜を迎える。
でも、それでいい。
だって夕日を見れば、彼のことを思い出してしまうから。
少しすると望から連絡が来て、一緒にそのまま出掛けた。
にこにこ笑って、今日あった事を話しながら車を走らせる望は、いつも行く定食屋さんも、二人の大好きな雑貨屋さんも通り過ぎて、どんどんと遠くへ進んでいく。
「ねえ、今日はどこ行くの？」
「着いてからのお楽しみやで！」
不安と期待を抱えたまま外を見ていれば、望が車を止めた。
「着いたで！」
車を降りると、目の前にあったのは教会だった。
「…教会？」
「そやで！さ、中入ろ！」
望に手を引かれて中へ入ってみると、とても綺麗な可愛らしい教会だった。
「何で急に教会なの？」
「話あるからここ立って？」
そのまま一番前の真ん中に立たされる。
望が少し頬を赤らめながら、私を見つめる。
上の方にある窓からは月明かりが差し込んで、
凄く凄く、綺麗だった。
青い月明かりに照らされた望は、小さく鼻をすすってから急に姿勢を正して言った。
「あのさ、ここで結婚式せえへん？」
「…え？」
「結婚の準備、そろそろ始めへん？」
私は、言葉に詰まってしまった。
だって私は望を裏切ったのに。
望より好きな人が居るのに。
私は望とは居られない。
望の隣には居るべきじゃない。
「…望…あのね…、」
そう思って口を開こうとした時、
望は私にそっとキスをした。
望が私からそっと離れる。
その瞳は少し潤んでいた。
「それ以上、言わんといて」
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みなみ(プロフ) - ゆん°さん» ここまでありがとうございました！！！ (2017年5月15日 21時) (
レス) id: 53336b01a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん°(プロフ) - 読んだよ〜！完結おめでとう！！ (2017年5月15日 21時) (レス) id: 5c49c99a1a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - ありがとうございます！そう言って頂けるととてもやる気が出ますし、嬉しい限りです。これからも更新ペースは遅いかもしれませんが、物語を丁寧に紡いでいけるように頑張りますので応援よろしくお願い致します！ (2017年5月5日 20時) (レス) id: 53336b01a0 (このIDを非表示/違反報告)
はまやん(プロフ) - みなみさんの世界観が好きです、言葉遣いが綺麗で、比喩の部分とか素敵だと思います。切なさが文に表れていて心が揺らされます。好きです。忙しいとは思いますが頑張ってください。 (2017年5月5日 20時) (レス) id: 140c01c743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みなみ | 作成日時：2017年4月9日 15時
