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私の元に走って来ようとする重岡くん。
しかし、その時私の携帯の着信音が鳴り響く。
そして、それと同時に聞こえた、可愛いらしいふわふわした声。
「大毅〜?どうしたの?」
私の携帯の音が、その声が、彼の足を止めた。
彼女は彼の元に近付いてきて、私を一瞥した後、重岡くんに「この子、友達?」と首を傾げた。
重岡くんが一瞬私をちらっと見る。
目が合って、どうしたらいいか分からなくって、すぐに逸らした。
すると彼はその子に向かって、「…そうやで、中学ん時の」って笑った。
その一言に、棘が刺さったみたいに心が疼いた。
当然のことなのに。
そして忘れかけていた電話に出る。
相手はやっぱり望。
「もしもし?どうしたの?」
「ああ、俺やけど…、今夜とか会えへん?」
「うん…いいよ。」
「じゃあ大学終わったら迎えに行くな!」
「ありがとう、じゃあね」
重岡くんが私を見る。
「友達?」
望は、友達なんかじゃないけれど。
「そうだよ」
何故か隠している自分がいた。
「大毅、行こう?遅れちゃう」
「ああ、せやな!じゃあ…また」
その女の子がそういうと、彼は私に微笑みかけて、その子と一緒に歩いて行った。
久々に会ったのに、言いたかったこと、聞きたかったこと、何も言えていない。
彼も、何も言ってくれなかった。
想いが、涙が溢れて、呼吸が出来なくなって、膝から崩れ落ちる。
私の周りを避けて歩く人々。
私は誰もいない所まで走った。
うずくまって泣いたまま、どのくらいの時間が経っただろう。
私の足元に靴が見えた。
慌てて顔を上げると、重岡くんが立っている。
今度は一人で。
「今、話せる?」
私はそっと頷いた。
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みなみ(プロフ) - ゆん°さん» ここまでありがとうございました!!! (2017年5月15日 21時) (レス) id: 53336b01a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん°(プロフ) - 読んだよ〜!完結おめでとう!! (2017年5月15日 21時) (レス) id: 5c49c99a1a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - ありがとうございます!そう言って頂けるととてもやる気が出ますし、嬉しい限りです。これからも更新ペースは遅いかもしれませんが、物語を丁寧に紡いでいけるように頑張りますので応援よろしくお願い致します! (2017年5月5日 20時) (レス) id: 53336b01a0 (このIDを非表示/違反報告)
はまやん(プロフ) - みなみさんの世界観が好きです、言葉遣いが綺麗で、比喩の部分とか素敵だと思います。切なさが文に表れていて心が揺らされます。好きです。忙しいとは思いますが頑張ってください。 (2017年5月5日 20時) (レス) id: 140c01c743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなみ | 作成日時:2017年4月9日 15時