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二人の唇が離れたと同時に、私達の間には夜風が舞い込んでくる。
私の唇に残る彼の温もりはそれに拐われて突然冷たくなった。
その温度に、どうしようもなく寂しさを憶える。
もっと彼の傍に、もっともっと、ずっと。
どんどん欲張りになる、彼を強く求めてしまう。
ずっと一人だった私。
でも、彼の優しさに触れてしまった今、もう彼がいないと生きていけないのではないか。
だから今夜は、
星の舞うこの夜の間だけは、もう少しだけ傍に居させてください。
星空に、そう強く祈る。
それなのに、私は欲張ってしまったんだろうか。
彼を想うこと、そして彼に想われることを許されたのに。
もっと傍に、ってわがままを言ったから。
そんな願い叶わなかった。
車のエンジン音が私達の頭上で聞こえた。
斜面の上を見上げれば、見飽きたあの車が居た。
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作者名：みなみ | 作成日時：2017年3月7日 13時
